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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻8号

1969年08月発行

文献概要

1ページの知識 生化学

キレート滴定法

著者: 永井諄爾1

所属機関: 1九大・中検

ページ範囲:P.677 - P.677

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1.血清カルシウムの定量法
 血清カルシウムの定量は,現在なお依然として困難な問題を残している.この血清カルシウムの定量法の1つに,キレート滴定法がある.ムレキシド,エリオクロム・ブラックT,カルコンあるいはカルセインなどの指示薬をカルシウム溶液に加えると,これらの色素はいずれもカルシウム・イオンと結合して特有に発色する.このように発色させておいて,エチレンジアミン四酢酸(EDTA)で滴定すると,この物質はカルシウムとの結合が強いから,指示薬と結合したカルシウムを奪って,カルシウムを奪われて遊離になつた指示薬は,それ特有の色を現わす.たとえば,エリオクロム・ブラックTはカルシウムと結合すれば赤紫色であるが,遊離の状態では青色である.赤紫色→青色の変色を終末点にして,滴定に要したEDTA標準液の量から,カルシウムの量を計算するのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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