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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻12号

1970年12月発行

文献概要

特集 日常検査法—基礎と要点 部門別の基礎技術 Ⅱ.臨床化学

酵素—測定法の基礎と要点

著者: 吉田光孝1 中山年正1

所属機関: 1東京・虎の門病院生化学科

ページ範囲:P.1232 - P.1241

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 酵素の特性は化学反応を特異的に触媒することである.すなわちおのおのの酵素はそれぞれ基質特異性に基づいた一定の化学反応を触媒し,反応速度を著しく大きくする作用がある.ただし,触媒としての酵素は単に化学反応が平衡に達するのを早めるだけで,反応の平衡点を変えるものではない.酵素の存在量を求めるには触媒される反応の速度を測定して,その単位時間あたりの反応速度,すなわち酵素活性として間接的に求める方法がとられている.
 このように一定条件下における酵素作用を測定し,その作用力を基礎として便宜的に決めた単位をもって酵素量が表わされる.酵素単位の表わし方としてIUB (国際生化学連合)の酵素委員会は‘定の条件下で1分間に1マイクロmoleの基質を変化させる酵素量を1単位とする’ことを推奨しており,臨床酵素学もこの方向に向かっている.この場合たいせつなことは,酵素量と酵素作用とが正確に比例するような条件で測定しなければ,その相対的な酵素含有量を比較できないことである.したがって酵素量の測定にあたっては,正確に規制された条件下で酵素作用の測定が行なわれ,しかも得られた値が酵素量に比例することが要求される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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