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雑誌詳細

文献概要

特集 日常検査法—基礎と要点 部門別の基礎技術 Ⅷ.一般検査

著者: 高橋昭三1

所属機関: 1結核予防会結核研究所細菌血清学研究科

ページ範囲:P.1377 - P.1379

痰の成分と肉眼的所見
 気管,気管支の粘液腺で分泌される透明な粘液は管壁内面をおおい,そこにはいってきた異物をとらえ,線毛上皮の線毛の運動により,気管から喉頭,咽頭を通って捨てられる.これが痰である.中に細胞成分として喰細胞(主として大喰細胞)が含まれるが,生きているときは透明である.これにいろいろの細胞などが混じり,種々の外観を示すようになる.
 赤血球または血液が少量混じれば,淡黄色,ピンクから赤色となり,一様に混じっている場合は気管支に出る前の出血であり,気管支内で混じれば線状になって現われる.出血した部位に長くおかれた場合は,チョコレート色になることもある.膿,すなわち死んだ白血球が混じった場合は,赤血球の場合の赤が黄色ないしクリーム色となり,線状または塊状になって痰の中に混じってみられる.膿が圧倒的に多い場合は,全体が粘性のクリーム状となる.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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