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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻12号

1970年12月発行

文献概要

特集 日常検査法—基礎と要点 部門別の基礎技術 Ⅷ.一般検査

髄液

著者: 別府宏圀1

所属機関: 1東大神経内科

ページ範囲:P.1387 - P.1390

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髄液の生理とはたらき
 髄液は主として脳室において脈絡叢および脳実質が産生すると考えられ,その体積は成人でほぼ90-150mlである.産生された髄液の多くは脳室からLuschka孔およびMagendie孔,クモ膜下腔を経てクモ膜絨毛で吸収されるのであるが,この間,髄液中の諸成分は,あらゆるレベルでいわゆる血液・髄液関門をへだてて,血液と髄液の間に動的平衡状態を保っており,正確な産生速度が決定しにくいのもこの点にある.
 参考までにヒトおよびその他の動物での測定値を表1に示す.関門は具体的には毛細管上皮,軟膜,星状グリア,脳室上衣,脈絡膜,クモ膜などからなり,分子のサイズ,脂溶性の違い,濃度差などによりそれぞれの物質の通過を規定している.さらにまた頭蓋内静脈圧も髄液の吸収を決定する大きな要素となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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