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結核菌と非定型抗酸菌
著者: 土屋俊夫1
所属機関: 1日大・臨床病理
ページ範囲:P.1456 - P.1456
文献購入ページに移動 結核菌はミコバクテリウム属の菌である.この属の菌は抗酸菌と呼ばれている.この属の菌の特性は難染性であるが,一度染色されると酸性アルコールによっても容易に脱色されないという性質をもつと同時に,他の菌種では耐えられない濃度のアルカリまたは酸の処理によっても生き残る性状がある.形態学的には細長い杆菌で軽度の彎曲を示す,非運動性の好気性菌である.この菌属の中で病原性を有するものでは結核菌と癩菌が代表的なものである.
結核菌にはヒト型,ウシ型,トリ型結核菌が知られている.またこれら以外で非定型抗酸菌といわれるものにも病原性があることが明らかにされてきた.ヒト型結核菌およびウシ型結核菌と非定型抗酸菌は肺疾患の患者より検出されることがあり,これらの鑑別が必要であることがある.これらを区別するためには培地での発育速度,集落の状態,色素の有無などの所見のほか,ナイアシン試験や抗煮沸試験が行なわれる.
結核菌にはヒト型,ウシ型,トリ型結核菌が知られている.またこれら以外で非定型抗酸菌といわれるものにも病原性があることが明らかにされてきた.ヒト型結核菌およびウシ型結核菌と非定型抗酸菌は肺疾患の患者より検出されることがあり,これらの鑑別が必要であることがある.これらを区別するためには培地での発育速度,集落の状態,色素の有無などの所見のほか,ナイアシン試験や抗煮沸試験が行なわれる.
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