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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻13号

1970年12月発行

文献概要

1ページの知識 細菌

結核菌と非定型抗酸菌

著者: 土屋俊夫1

所属機関: 1日大・臨床病理

ページ範囲:P.1456 - P.1456

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 結核菌はミコバクテリウム属の菌である.この属の菌は抗酸菌と呼ばれている.この属の菌の特性は難染性であるが,一度染色されると酸性アルコールによっても容易に脱色されないという性質をもつと同時に,他の菌種では耐えられない濃度のアルカリまたは酸の処理によっても生き残る性状がある.形態学的には細長い杆菌で軽度の彎曲を示す,非運動性の好気性菌である.この菌属の中で病原性を有するものでは結核菌と癩菌が代表的なものである.
 結核菌にはヒト型,ウシ型,トリ型結核菌が知られている.またこれら以外で非定型抗酸菌といわれるものにも病原性があることが明らかにされてきた.ヒト型結核菌およびウシ型結核菌と非定型抗酸菌は肺疾患の患者より検出されることがあり,これらの鑑別が必要であることがある.これらを区別するためには培地での発育速度,集落の状態,色素の有無などの所見のほか,ナイアシン試験や抗煮沸試験が行なわれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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