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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻13号

1970年12月発行

文献概要

1ページの知識 生理

脳波のリズムの生理学的意味—特にα律動について

著者: 渡嘉敷暁1

所属機関: 1関東中央病院精神神経科

ページ範囲:P.1458 - P.1458

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1.脳波の成因
 脳の電気活動が発見されてからすでに100年たつ.ヒトの脳波を発見したのはBergerであり,その報告は1929年であるが,動物脳の電気活動の研究は1870年代のCatonにまでさかのぼることができる.
 脳波の成因は一応次の2つの側面に分けて考えられる.すなわち,脳波としてとらえられる電気現象が,脳内のどこの電気活動の表現であるかということ(脳波の電気発生)と,どうして一定の周期をもった電気活動となるかということ(脳波の周期発生)である.脳波の電気発生については,かつてAdrianらは皮質ニューロンの活動電位(スパイク電位)の総和であろうと推測したが,その後の研究はこの仮説に対して否定的であり(Liら,Jung),むしろ皮質表層の尖頭樹状突起における電気活動,特に後シナプス電位が重視されている(Eccles).また周期の発生に関しては,大脳皮質と視床との間を循環するインパルスの巡回時間が周期を決定するとの説や,神経細胞自体にリズム的な活動をする性質があるとする説など種々の説が出されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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