文献詳細
文献概要
1ページの知識 血清
交差適合試験
著者: 水谷昭夫1
所属機関: 1京府医大・臨床検査部
ページ範囲:P.161 - P.161
文献購入ページに移動輸血副作用のチェッカー
輸血を行なうに際して,受血者(recipient)と供血者(donor)がお互いの赤血球に対して抗体をもっていないかどうかをあらかじめ検査して,輸血の安全を確かめるのが交差適合試験(crossmatch)である.
交差適合試験を正確に行なうならば輸血副作用はすべて防止できるかといえば,必ずしもそうでない場合もある.たとえば,Rh陰性の受血者にRh陽性の血液を輸血する場合でも,受血者が抗体をもたないかぎり,交差適合試験には何ら異状を認めず,それにもかかわらず,この輸血によって受血者は抗Rh。抗体の産生を強く促され,そのために将来の妊娠などに際して,その胎児に重篤な症状を現わすことがある.また,交差適合試験で全く異状を認めなかった血液を用いての輸血に,激しい副作用を見た例もある(Fudenberg, M.M.et al, 1957).
輸血を行なうに際して,受血者(recipient)と供血者(donor)がお互いの赤血球に対して抗体をもっていないかどうかをあらかじめ検査して,輸血の安全を確かめるのが交差適合試験(crossmatch)である.
交差適合試験を正確に行なうならば輸血副作用はすべて防止できるかといえば,必ずしもそうでない場合もある.たとえば,Rh陰性の受血者にRh陽性の血液を輸血する場合でも,受血者が抗体をもたないかぎり,交差適合試験には何ら異状を認めず,それにもかかわらず,この輸血によって受血者は抗Rh。抗体の産生を強く促され,そのために将来の妊娠などに際して,その胎児に重篤な症状を現わすことがある.また,交差適合試験で全く異状を認めなかった血液を用いての輸血に,激しい副作用を見た例もある(Fudenberg, M.M.et al, 1957).
掲載誌情報