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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻5号

1970年05月発行

文献概要

技術解説

コレラ菌の新しい分離培養

著者: 坂崎利一1

所属機関: 1国立予防衛生研究所細菌第1室

ページ範囲:P.446 - P.450

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はじめに
 1960年ごろまで,わが国においてはすでに過去の伝染病であったコレラが,東南アジアでのエルトール型コレラ菌による流行に端を発して,毎年その侵入におびやかされるようになった.それと同時に,コレラおよびコレラ菌についての研究がふたたび活発化し,19世紀の知識のままにとどまっていたこの分野に,近代医学の光があてられて各方面で新しい知見がえられている.コレラの細菌学的検査方法もまたその例外ではない.
 コレラはいうまでもなくインドに古くから存在する風土病で,その細菌学的検査方法はインド人学者を中心として開拓され,いままでに報告された増菌培地や分離培地の種類は枚挙にいとまがないほどである.また,わが国でも最近TCBSヵンテンなどの新しい培地が開発され,これが東南アジア地域でかなりひろく使用されていることは衆知のことである.しかし,分離培地の価値は実際の例に直面すると,必ずしも原著の記載どおりではないことがしばしばある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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