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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻5号

1970年05月発行

文献概要

論壇

法改正をめぐる諸問題

著者: 田立耕蔵1

所属機関: 1日本衛生検査技師会

ページ範囲:P.484 - P.485

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"4本の柱"と厳しい現実
 現在私たちが,その目的達成を目ざし全力を傾けている法改正運動は,1966年4月,大阪で開催された第15回日本衛生検査技師会総会で万場一致で承認され,それ以来いわゆる"4本の柱"としてとりまとめられるようになった,衛生検査技師法一部改正3か年計画に基づいているのであるが,当時その内容を説明するに当たって,提案者は"衛生検査技師法には多くの問題があり,そのためにわが国の衛生検査技師はいまだに不遇な毎日を送っている.われわれは過去7年間にも及んだ長期の法改正運動を総括し,その成果と実績を基礎として法律改正をわが掌中に収めよう"と出席者全員に呼びかけた.
 全くその言のとおりであるというほかない.もともとこの法律は,日本衛生検査技術者会が,1952年7月18日に産ぶ声をあげたその日から数年にわたって続けられた,国会その他各方面への請願運動の一応の成果であったにもかかわらず,そのときすでに検査業務の範囲をめぐって,各医療関係諸団体の間でありありと浮き彫りされていた鋭い利害の対立をそのまま持ち越したかたちで,どうにか体裁だけをつくろった全くの妥協の産物にすぎなかったのである.だから,その実体がわれわれの念願とするところの真にあるべき姿からすれば,およそ遠くかけはなれたものであることは,法施行の当初から覚悟のうえであったし,さればこそ法改正運動は息つくひまもなく開始されたのであった.だが,その長期に及んだ運動の総括ともいうべき3か年計画の最終年度に当たる1969年も,ついに陽の目をみぬまま年を越してしまった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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