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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻8号

1970年08月発行

文献概要

カラーグラフ

異型リンパ球

著者: 寺田秀夫1

所属機関: 1昭和大・臨床病理

ページ範囲:P.734 - P.735

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風疹,麻疹などをはじめとする小児のウイルス疾患,伝染性単核症,そのほか抗原抗体反応の起こっている疾患の末梢血に,リンパ球のようでもあり,単球にも似ており,ときには形質細胞のようにもみえる細胞がしばしば出現する.これらの細胞を異型リンパ球(以下‘異リ’)またはウイルス疾患に出やすい点からバイロサイト(virocyte)とも呼ばれる.‘異リ’の形態学的特徴については,見る人によって多少の主観の差が免れないが,ライトまたはギムザ染色上では次のごとくである.①大きさは普通のリンパ球よりも大きく15—20μ程度のものが多い.②細胞質の好塩基性が強いが,単球様のものは淡青色を呈する.③核は不正形のものが多いが,ほぼ類円形のものもある.④核小体など芽球様特徴を有するものもある.
‘異リ’の分類については一般にはDowneyの記載のごとく,大リンパ球様,単球様,形質細胞様の3つの型に分けるが,これら各型の間にはもちろん移行型があり,‘異リ’を正確に分類することは困難である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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