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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻8号

1970年08月発行

文献概要

セルローズアセテート膜とパターン認識

著者: 川村皓子1

所属機関: 1慶大病院中検臨床化学

ページ範囲:P.791 - P.791

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 タンパクの分画にセルローズアセテート膜が登場してから,タンパク,酵素などに関する研究が日進月歩の勢いで発展している.現在,多くの病院検査室においてセルローズアセテート膜(セパラックス,オキソイド,ミリポア,セルロゲル,セパラフォアⅢなど)が血清タンパク分画ばかりでなく糖タンパク,リポタンパク,酵素アイソザイム,免疫電気泳動などにしきりと用いられるようになってきた.
 このようにセルローズアセテート膜が多方面に利用されるようになったのは,この膜がそれまでのゾーン電気泳動法に用いられていた濾紙,カンテンゲル,デンプンゲルなどの支持体に比べて,分離能が非常にすぐれており,かつ扱い方が簡単,短時間で操作を完了できるからであろう.ある物を分離するという場合にその方法論が確立されると,それに使われる類似の支持体が盛んに開発されてくるが,セルローズアセテート膜を例にとっても,現在市販されている種類は非常に多く,それぞれの組成(セルローズの水酸基のアセチル化の程度),フィルム製法などさまざまである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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