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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻8号

1970年08月発行

文献概要

研究

胃液の総塩酸,遊離塩酸についての考察—特に胃液の滴定曲線について

著者: 三好正人1 川井啓市2 植松寿樹2 三崎文夫2

所属機関: 1京府医大・第1生理 2京府医大第3内科

ページ範囲:P.807 - P.812

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 19世紀前半,Proutが胃液が酸性であるのは塩酸に由来することを認め,分泌された塩酸の濃度を表わすのに‘Free acid’,‘Combined acid’,‘Total acid’ということばを使用することを提案した1).その後,胃液の酸の測定やその意義について多くの研究がなされてきたが2-4),その意味が明確にされていないにもかかわらず,現在においてすらこのことばが一般に使用されている.
 しかしながら,この約150年間に胃液についてのいろいろの知識が集積され,胃液は単に純粋な塩酸のみでなく,主細胞,粘膜上皮細胞および頸部粘液細胞などから分泌される粘液や塩酸以外の電解質の混合液であること,またこのような電解質混合液の理物化学的性質の解明,技術的にはpHメーターおよびpH電極の進歩などがあって,従来使用されてきた‘Free acid (遊離塩酸)’,‘Cornbined acid (結合塩酸)’,‘Total acid (総塩酸)’のことばを再検討すべきであるという老えが広がってきている1,5,6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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