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技術解説
原虫のシストグラフ参照
著者: 浅見敬三1
所属機関: 1慶大・寄生虫
ページ範囲:P.35 - P.39
文献購入ページに移動 原虫類の検査は日本の臨床検査関係者の最も苦手とする領域であろう.日本では寄生原虫類がその種類および頻度の点で比較的少ないとはいえ,無視してよいというほどではない.文明国はいずれも日本と同程度なのだが,他国の関係者のもっている知識は日本のそれに比べると,はるかに高い.普通の糞便検査で,寄生虫卵と同時に原虫類を検査することは常識であるが,日本では果たしていくつの検査機関がこれを行なっているであろうか.
一般に,原虫類の検査はきわめてむずかしいという誤解が広く関係者間にしみ渡っているようであるが,決してそれほどにむずかしいものではなく,特別な熟練を要するものでもない.そのものを知らないから,見えていても識別できないだけのことなのである.原虫のシストに特有な光り方を一度頭に入れてしまえば,それと同じ光り方をする物体がその後はいやでも眼につくようになるし,そうなれば,参考書をひもといて種類の同定までにも進めるわけである.
一般に,原虫類の検査はきわめてむずかしいという誤解が広く関係者間にしみ渡っているようであるが,決してそれほどにむずかしいものではなく,特別な熟練を要するものでもない.そのものを知らないから,見えていても識別できないだけのことなのである.原虫のシストに特有な光り方を一度頭に入れてしまえば,それと同じ光り方をする物体がその後はいやでも眼につくようになるし,そうなれば,参考書をひもといて種類の同定までにも進めるわけである.
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