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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査15巻12号

1971年12月発行

雑誌目次

特集 酵素検査法

生化学

リパーゼ Lipase/カルボキシルエステラーゼ Carboxylesterase/コレステロールエステラーゼ Cholesterol esterase

川井 一男 , 阪東 慶一

pp.1164-1169

いとぐち

1.概要

 膵機能障害により,膵実質細胞から血中に逸脱し,血中および尿中に高い活性値をもたらす酵素として,従来からアミラーぜ,リパーゼ,トリプシンなどの膵酵素の検索が重視されてきた.しかし,一般にはアミラーゼの活性値測定が広く臨床検査として用いられるのみで,その他の膵酵素に関してはいまだ十分に活用されていない現状である.ことに膵臓の解剖学的な位置関係から触診やX線検査の盲点となり,臨床化学的な診断がよりいっそう問題となるにもかかわらず,この面の開発が今なお十分でない.アミラーゼに比して明らかに膵機能に関する特異性をもち,また長時間変動を持続するといわれながらも,リパーゼ活性値の測定が繁用されないのは,いくつかの理由があるからである

ホスフォリパーゼ Phospholipase

柴田 久雄

pp.1170-1173

いとぐち

 今日酵素の測定は臨床検査上大きな部分を占めており,中でも数種のものは臨床的にも非常に重要である.しかしこれらのうちで脂質を基質として作用する酵素は比較的少なし.

 この理由として

リポタンパクリパーゼ Ljpoprotein lipase

柴田 久雄

pp.1173-1177

いとぐち

 臨床検査に携わっていると,ときに血清が白く濁っているものに出合うことがある.この中には何か食べたあとに誤って採血したものが含まれている.このにごりは食事中の脂質が血中に流れることによって生じたものである.

1943年,Hahnはイヌにヘパリンを注射すると,このにごりが消えることを見いだした。これはその作用のとおりClearing factorと当初命名されていたが,その後にこれがヘパリンを注射されたことによって酵素活性が高まり,これによって血中のカイロミクロンや低比重リポタンパク中のトリグリセリドを水解して,グリセリンと脂肪酸に分解するためであると説明された.しかし消化液中や細胞中にあるリパーゼとは異なり,トリグリセリド自体には作用せずタンパクと結合したトリグリセリドのみに作用する.これをLipoprotein lipase(LLと略す)と命名した(図1,表1).

ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP) Leucine aminopeptidase

山崎 晴一朗 , 有馬 正

pp.1177-1181

いとぐち

 LAPはγ—GTPとともに閉塞性黄疸で増加することが知られているが,いずれも比較的新しい検査法なのでその臨床的意義については完全に解明されていない,私たちはこれらの検査法について原理,検査手技,正常値,臨床的意義について述べようと思う

γ-グルタミールトランスペプチダーゼ(r-GTP) r-Glutamyl transpeptidase

山崎 晴一朗 , 有馬 正

pp.1181-1185

いとぐち

 γ-グルタミールトランスペプチダーゼ(γ-GTP)はγ-グルタミールペプチドを加水分解するとともに,γ-グルタミール基を他のペプチド,アミノ酸に転移させるトランスペプチダーゼ作用を有する酵素で,ヒトでは腎,膵,肝,血清,血球に存在することが知られている.本酵素は最初Szewczuk,Orlowskiらによって合成基質を用いる測定方法が確立され,にわかにその臨床的意義づけが注目された.肝胆道疾患患者で血清γ-GTP活性が正常人に比し高く,特に閉塞性黄疸,転移性肝癌などで著明な上昇を示し,その特異性はGOT,GPT,Al-Pなどより非常に高いといわれている.一方,心筋硬塞後にも血中に増加することが明らかになり,比較的長期にわたり異常活性が持続することから,硬塞後日数の経過した症例にも診断的価値が認められてきた酵素である

コリンエステラーゼ Cholinesterase

丹羽 正治

pp.1186-1191

いとぐち

1.コリンエステラーゼとその種類

 コリンエステラーゼ(ChE)はプセチルコリンをはじめ各種のコリンエステルを加水分解して,コリンと酢酸などの酸にする働きのある酵素である.すなわち

ホスファターゼ(アルカリ,酸) Phosphatase

降矢 震

pp.1192-1198

いとぐち

 1.ホスファターゼの分類1)ホスフォエステラーゼ,ボスファミダーゼ,ピロホスファターぜなど,リン酸結合を水解する一群の酵素をホスファターゼと総称する

α-ヒドロオキシ酪酸脱水素酵素(HBD) α-Hydroxybutyric acid dehydrogenase

高木 康史

pp.1199-1201

いとぐち

 国際生化学連合酵素委員会報告(1965)によれば,酵素番1.1.99.6号,系統D-2-Hydroxyacid:(acceptor)oxidoreductaseである.

 Elliott1)らによって命名されたもので,LDH-アイソザイム中の最も早く易動する分画が心筋硬塞に特異的であり,α-ケト酪酸をすみやかに還元する性質をもっているからである.HBDとLDHの異同が問題になるが,確実に同一であると証明した報告はまだないようである.従来のGOT,GPT,LDH測定値よりも心筋硬塞に対して特異性が高く,異常値を示す持続期間の長いことも報告されている2).予後の判定に役だつとして用いられるようになった

アルギナーゼ Arginase

高木 康史

pp.1201-1202

いとぐち

 アルギナーゼはウサギ,ブタまたはウシの肝臓から結晶酵素としてBach (1961)により精製された.

 アルギナーゼの大部分は肝に特異的に分布すると考えてよく,肝疾患との関係が注目される.肝以外に精巣アルギナーゼが青春期に活性増加し,授乳期の乳腺アルギナーゼの活性増加も知られている.別にGH (GrowthHormon;成長ホルモン)とアルギナーゼの関係も知られ,GH低下時にはアルギナーゼ活性が低下することもあわせて発育と関係があると考えられている.その他肝腫瘍では正常肝より活性が低く,原発性乳腺腫瘍アルギナーゼは正常乳腺のアルギナーゼよりも強いのは興味深いことである

オルニチントランスアミナーゼ(OTA) Ornithine-ketoacid aminotransferase

高木 康史

pp.1202-1204

いとぐち

 本酵素は肝臓と腎臓に多く分布し,オルニチン(アミノ酸)の代謝に重要な役割を果たしている酵素であって,本酵素は,GPT, GOTなどと同様にピリドキサールリン酸を補酵素とする酵素であることが知られる.また本酵素はミトコンドリアに局在し,図の反応を触媒することが知られる.

 本酵素の臨床生化学的な存在意義は間接的なアンモニアの解毒で,TCAサイクル中にて生成したα—ケトグルタール酸と,尿素サイクルにて生成されたオルニチンが反応してグルタミン酸を生成するように働く2).また,オルニチンの増量がアルギナーゼ活性を阻害することも知られているので,肝の正常な代謝にOTAが重要な役割を果たしているのがわかる.さらに本酵素は高タンパク食によって強く誘導されて出現する酵素である3)

イソクエン酸脱水素酵素 Isocitrate dehydrogenase

服部 信

pp.1204-1206

いとぐち

 この酵素は図に示すいわゆるKrcbsの三炭酸サイクルの過程のIsocitrate(イソクエン酸)よりまず水素が2つ離れて,オキザロ酢酸となり(前段階),次いで炭酸ガスがとんで,α-ケトグルタール酸と化す(後段階).これの酵素がイソクエン酸脱水素酵素で,補酵素としてNADPを必要とするもの(臨床化学にたいせつなのはこれである)と,NADを必要とするものがある.NADを要するものは,ミトコンドリアの中に存在し,NADPを要するものは,ミトコンドリアの中に存在するものと,細胞の上清成分に存在するものがあり,あとの2者は質的に異なる.本酵素の前段階までは,酵素と2価のイオン(Mg++またはMn++)を要し,あとの段階は2価イオンの存在のみを必要とし,酵素はいらない.前の脱水素化には,2価イオンがないと,反応がきわめて遅くなる.

 本酵素はmalic enzymeとか,isocitric enzymeという人もいたが,一般にはこれの名称を用いる入は少ない.いずれにせよ,Krebsのサイクルの重要な酵素である.臨床化学手技上は問題にならぬが,α-ケトグルタール酸は若干酵素反応を阻害する

アルドラーゼ Aldolase

服部 信

pp.1207-1209

いとぐち

 この酵素は,解糖系の重要な酵素であり,1934年Meyerhofらにより,筋肉や酵母の中より発見された.この反応は次の式による.

果糖−1,6—二リン酸⇄D—グリセリンアルデヒド−3—リン酸(GAP)+ジヒドロキシアセトンリン酸(DAP

フマラーゼ Fumarase

服部 信

pp.1209-1211

いとぐち

 この酵素は,イソクエン酸脱水素酵素のおりに示した図のフマール酸よりレリンゴ酸に到る反応(図1)を触媒する酵素である.古く1920年にすでにThunbergにより研究されている.これはKrebsのサイクルの中で,クエン酸よりcisアコニット酸にいき,またイソクエン酸に進む過程とともに,水が反応の出納に関係するステップである.フマール酸から,L—リンゴ酸になるおりの立体異性の点は,重水を用いてかなり明らかにされている.pHとか温度が異なると,これの反応平衡はやや異なる.温度が高くなると,反応はL—リンゴ酸が多くなる方向に動く.本酵素はMassayにより1951年にブタの心臓より結晶化された.

 本酵素の分子量は2×105.本酵素とフマール酸との結合はATPの存在で低下するが,Mg++イオンで回復する.本酵素は4つのsubunitよりなり,これは酵素作用はない.基質とおくとsubunitは再結合し完全に活性をもどす.立体異性の面を示すと,図2のようになる

リン六炭糖イソメラーゼ(PHI) Phosphohexose isomerase

玄番 昭夫

pp.1211-1213

いとぐち

 リン六炭糖イソメラーゼというよりも,その英語名の頭文字をとってPHI(phosphohexose isomerase)と呼んだほうがかえってわかりやすい.この酵素は解糖系酵素の1つであり,図のようにブドウ糖-6-リン酸と果糖-6-リン酸の間の転換を可逆的に触媒する.この両者は互いに異性体(isomer)であるが,このように異性体間の転換に関与する酵素を一般にイソメラーゼと呼び,そしてこの場合は六炭糖のリン酸エステルについての異性体転換であるためにPHIと名づけられている.この反応はpH7.0,25℃でブドウ糖-6-リン酸が70%,果糖-6-リン酸が30%で平衡に達する可逆的な反応である.

 PHIの発見は1933年と古いが,この臨床的応用は1953年のBodanskyの研究に始まる.すなわちBodanskyは悪性腫瘍,特に胸部や前立腺の癌患者で,しかも骨転移を起こしているものの血清PHIはしばしば高いと報告し1),そして血清PHI測定法についても詳しく記載した2).しかしPHIはほとんどあらゆる組織に広く存在しているので,別に癌疾患に特有な酵素であるはずはなく,事実その後いろいろな疾患の際にも血中に出現してくることがわかったため,現在では本酵素の測定はその非特異性のためにあまり行なわれていない

リンゴ酸脱水素酵素 Malate dehydrogenase

玄番 昭夫

pp.1213-1215

いとぐち

 ブドウは甘く,リンゴは酸っぱいのは,ブドウ糖とリンゴ酸の違いであるかどうかわからないが,数少ない果実名のついた酵素の1つがリンゴ酸脱水素酵素(malatedehydrogenase, MDH)である.これは,

L—リンゴ酸+NAD

MDH⇄オキザロ酢酸+NADH+H……(1

グルタミン酸脱水素酵素(GDH) Glutamate dehydrOgenase

玄番 昭夫

pp.1215-1218

いとぐち

 グルタミン酸脱水素酵素(Glutamate dehydrogenase,GDH)はグルタミン酸を酸化的に脱アミノし,α-ケトグルタール酸にする酵素である.すなわちグルタミン酸からα-ケトグルタール酸となる経路の1つであり,そしてもう1つの経路がよく知られたGPTとGOTである(図).この3つの酵素(GDH,GPT,GOT)により,生体内のグルタミン酸はα-ケトグルタール酸に変わり,そしてTCAサイクルへとはいっていく.またこれらの反応はすべて可逆的でもあるから,反対にグルタミン酸の生成の道でもある.すなわち,たとえばGDHのときは,

α-ケトグルタール酸+NH2+NADH+H⇄グルタミン酸+NAD+H2O……(1

ソルビトール脱水素酵素(SDH) Sorbitol or polyol dehydrogenase

玄番 昭夫

pp.1218-1220

いとぐち

 多価(6価)アルコールの1種であるソルビトールを大量に与えると,尿中に果糖が出現してくることから,次のような反応に基づくソルビトール脱水素酵素(sorbitol dehydrogenase, SDH)の存在が確かめられた.

ソルビトール+NAD⇄D—果糖+NADH+H……(1)

乳酸脱水素酵素 Lactate dehydrogenase(LDH)

吉田 光孝 , 飯島 直子

pp.1221-1228

はじめに

 乳酸脱水素酵素(Lactate Dehydrogenase,以下LDHと略す)は,乳酸とピルビン酸の間の反応を可逆的に触媒する酸化還元酵素の1つである.

ブドウ糖-6-リン酸脱水素酵素(G-6-P-DH) Glueose-6 phosphate dehydrogenase

荒木 英爾

pp.1228-1232

いとぐち

1.五炭糖リン酸回路とG-6-P-DH,6-PG-DH

 グルコース酸化のひとつの経路である五炭糖リン酸回路は赤血球,肝臓,授乳期の乳腺,脂肪組織,副腎皮質などに解糖のEmbden-Meyerhof経路の代替回路として存在し,それらの組織で活発に生成される脂肪酸,ステロイドの合成系にNADPH2を供給し,一方では核酸合成のために必要な五炭糖リン酸を供給する生理的に重要な代謝経路である(図1).

6-ホスフォグルコン酸脱水素酵素(6-PG-DH) 6-Phospho-D-gluconate

荒木 英爾

pp.1232-1235

いとぐち

6-PG-DHの性質

 6-ホスフォグルコン酸脱水素酵素はD-6-ホスフォグルコン酸から可逆的に脱炭酸してD-リブロースー5-リン酸を生ずる反応を触媒する(G-6-P-DHの項,表2を参照).

アルギニノサクシナーゼ(ASL) Argininosuccinase

高原 喜八郎

pp.1235-1239

いとぐち

 アルギニノサクシナーゼ*1)(米国よみ,アルジニノサクシネース)は正式にはL-Argininosuccinate arginine-lyase(以下ASLと略す)と呼び,自然界では豆類クロレラ,細菌類,へびの肝・膵組織に,また哺乳類の肝,腎,脳,赤血球などの中に存在していて,その尿素サイクル*2)中においてアルギナーゼの前段階に位置する酵素として知られている(図1).

 すなわちASLはアルギニノコハク酸(ASA)を開裂してアルギニンとフマール酸を生ずる開裂酵素(Lyase)で,その反応は可逆性であるが,開裂反応の方向のほうが強い.尿素サイクルにおけるオルニチン→チトルリンの過程はミトコンドリア内で行なわれるが,その他の過程は可溶性細胞質の中で行なわれるから,ASLは可溶性細胞質中ミトコンドリア付近に存在している.

β-グルクロニダーゼ(β-GL) β-Glucuronidase

石戸谷 豊

pp.1240-1242

いとぐち

 β-グルクロニダーゼは瀬良(1914)により動物の各組織にその存在が認められ,次いで正宗一派ら(1934)によって,その確実な知見が得られて命名された.この酵素は哺乳動物のほとんどあらゆる組織,体液に広く分布するが,特に肝,腎,脾,内分泌臓器などに活性が高い.また一般に組織では,細胞質に高度濃に分布し,その大部分はリソソーム中に存在し,一部はミクロソーム中にある.

 その作用機序は生体内のアルコール,フェノール,ステロイド,ビリルビンなどのβ-D-グルクロニダーゼ(o-グルクロニド)結合を加水分解して,グルクロン酸を生成する.また生体内のムコ多糖体代謝に一役演じているものと考えられている.

ペプシン Pepsin

pp.1243

いとぐち

 胃粘膜の主細胞からペプシノーゲンが分泌され,傍細胞から分泌される塩酸により賦活を受けてペプシンとなり,タンパクのペプチド鎖に作用して芳香族残基に隣接するペプチド結合を加水分解して,タンパクの消化作用を遂行している.

 血中にもなにがしかのペプシノーゲンもしくはペプシン様のタンパク分解活性が認められており,さらに尿中にも同様な活性が存在することが知られているが,疾病の診断上の意義は大きいとはいえないので,ペプシン活性の検査は臨床検査としては広く行なわれてはいない.

トリプシン Trypsin/キモトリプシン Chymotrypsin

松村 義寛

pp.1244-1245

いとぐち

 膵の腺細胞は消化酵素の大群を分泌している.タンパクに対してトリプシノーゲン,キモトリプシノーゲンAおよびB,アミノペプチダーゼ,糖質に対してアミラーゼ,脂質にリパーぜ,核酸にリボヌクレアーゼなどというように多種多様のものがある.これらが膵の疾患に伴って血中に増量することになるので,アミラーゼ,リパーゼについてはすでに診断的意義が確立されているが,トリプシン,キモトリプシンについて血液を試料としての測定は必ずしも意義が評価されていない.おそらくはタンパク分解に対する防衛機構としてのトリプシン阻害体が産生されることにより,血中トリプシンと結合するためであろうと推定されている.

 したがってむしろ,血中トリプシン阻害体量を測定する試みや,トリプシン酵素分子そのものを免疫血清反応を応用することで測定しようという企てもある.

グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT) Aspartate aminotransferase/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT) Alanine aminotransferase

吉田 光孝 , 中山 年正

pp.1245-1257

いとぐち

 トランスァミナーゼ*1)(アミノトランスフェラーゼ)はアミノ化合物(アミノ酸)とα—ケト酸との間にアミノ基の転移反応を触媒する転移酵素(酵素番号2.6.1)の総称である.アミノ酸代謝と関連して重要な酵素で動植物界に広く分布し,また種類も多く,知られているおもなものでも16種類に及んでいる.動物組織におけるトランスァミナーゼのうち最も多く存在するのは,グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)とグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)であり,臨床医学上特に重要視されている.補酵素としてビタミンB6の誘導体であるピリドキサルリン酸を介して,それぞれ次の反応を触媒する.

L—グルタミン酸+オキザロ酢酸GOT⇄α—ケトグルタール酸+L—アスパラギン酸

クレアチンホスフォキナーゼ Creatine phosphokinase

高木 康史

pp.1257-1260

いとぐち

 ATP:creatine phosphotransferase (CPK)はSH阻害剤にて活性が阻害される.したがって二価金属イオンを必要とし,Mg++.Ca++またはMn++によって活性が増強される.Zn++,Cu++,NAD,AMP,チロキシンそしてマロン酸にて阻害される.家兎骨格筋から純粋に取り出され,結晶化された1).ヒトでは正常血清中にはほとんど存在せず,骨格筋>脳皮質>舌>心筋>横隔膜>大脳髄質>平滑筋>腎>脾>肝の順序に組織に含まれているとされる.したがって筋の疾患の際には本酵素が多量に血流中に流出するので,診断の指標になるとされるようになってから注目されるようになった酵素である.酵素作用の至適pHは正反応でpH9,逆反応では6-7にあるとされている.30℃でのKmはクレアチン1.6×10−2M, ATP 5×10−4M, Mg++6×10−4M,逆反応ではクレアチンリン酸5×10−3M, ADP 8×10−4M,Mg2+6×10−3Mである.

アミラーゼ Amylase

関 知次郎

pp.1260-1266

いとぐち

 急性でショックを伴う腹痛があった時,穿孔性腹膜症,結石症,腸嵌頓,膵壊死などいずれも緊急なる処置を要する場合が多い.この時にアミラーゼを測定すれば,膵に問題があるか否かをきわめて容易に判定しうる.それゆえにまた緊急検査としてもアミラーゼ検査は欠かせないものである*1).消化酵素を産生することをその主要な役割の1つとする膵は,アミラーゼ以外にも主要三大栄養素に対比してタンパク分解酵素,脂肪分解酵素を大量に作っている.それなのにアミラーゼが検査として最もよく使われる理由を考えてみよう.

 タンパク水解酵素はこれを産生する細胞をも分解しかねないが,一般にはプロ体(チモーゲン)として産生され,一定の順で活性化されるし,抑制作用をもつものも生体中には同時に存在することが多く,自己消化を防いでいるので血中で測るには難点が多い.

オルニチンカルバモイル基転移酵素(OCT) Ornithine Carbamoyl Transferase

松村 義寛

pp.1266-1267

いとぐち

 Krebs-Henseleitの尿素サイクルにおいて,シトルリンを合成する段階を触媒する酵素がオルニチンカルバモイル基転移酵素(OCT)である.肝のミトコンドリアに存在することが知られている.肝以外の組織には発見されていないので,肝疾患の診断にあたって,この酵素が血液中に増量していることは,臓器の鑑別診断上決定的な意義を有するものであると考えられている1)

 Coodley4)は肝疾患の血清酵素学的診断のうえから,血清中に出現し,臨床化学的に測定できる酵素を4群に大別した.

酵素名と略号

編集室

pp.1364

 本書で解説した50余の酵素のうち,略号のあるもの,あるいは日常検査では略号のほうがとおりのよいものを選び,アルファベット順にまとめた.

血液

セルロプラスミン Ceruloplasmin

清水 盈行

pp.1270-1272

いとぐち

 セルロプラスミンはα2—グロブリン分画にある銅タンパクであって,分子量15万のきれいな青色を呈すタンパクである.腸管から吸収された銅は肝臓でセルロプラスミンに合成され,血中を循環するが,胆汁を通じて排泄され,尿中へは排泄されない.血清中以外では肝臓,腎臓の2臓器のみに存在する.

 p—フェニレンジアミンなどジアミンを酸化するので,そのオキシダーゼとしての酸化作用を利用して測定する方法が考えられている1)

オキシダーゼ Oxidase

古沢 新平

pp.1272-1273

はじめに

 オキシダーゼ(OX)は,酸化還元酵素の1つで,水素をO2分子に転移させることを触媒する.

2AH+1/2O2OX→2A+H2O

ペルオキシダーゼ Peroxydase

古沢 新平

pp.1273-1275

はじめに

 ペルオキシダーゼ(PO)は,酸化還元酵素の1つで,水素化合物の水素を,過酸化水素またはその他の過酸化物に転移させることを触媒する.

2AH+H2O2PO→2A+2H2O

ホスファターゼ(アルカリ,酸) Phosphatase

古沢 新平

pp.1275-1277

はじめに

 ボスファターゼは,リン酸エステルの加水分解を触媒する酵素である(図1).

 各種ホスファターゼのうち,血液の分野で問題とされるのは,アルカリ性ホスファクーゼ(Al-P)と酸性ホスファターゼ(Ac-P)の2者である.Al-Pの至適pHは8.8-9.4にあり,Ac-Pの最適pHは5.2にある.

エステラーゼ Esterase

古沢 新平

pp.1277-1280

はじめに

 エステラーゼは,カルボン酸エステルの加水分解を触媒する酵素である.

エステラーゼR-CO-OR'+H2O→RCOOH+R'OHエステルカルボン酸アルコール

β-ゲルクロニダーゼ β-Glucuronidase

古沢 新平

pp.1280-1281

はじめに

 β-グルクロニダーゼ(β-Gl)は,グルクロナイド化合物の6の位置のカルボキシル基に作用して,その加水分解を触媒する(図).

 β-Glは,酸性ホスファターゼとともに,リソソーム含有の代表的酵素であるが,血液の分野におけるその臨床的意義に関しては,檀野1)は急性白血病細胞の病型分類と治療効果の予測に,Yamら2)はリンパ系腫瘍の診断に応用を試みているが,この方面の研究はまだ緒についたところであり,今後の研究が期待される.

ブドウ糖-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD) Glucose 6-Phosphate dehydrogemase

三輪 史朗

pp.1281-1284

採血から溶血液作製まで

1.赤血球浮遊液作製

 G-6-PDのみならず,6-リングルコン酸脱水素酵素,ピルビン酸キナーゼ,三炭糖リン酸イソメラーゼ,グルタチオン還元酵素の活性測定に共通した事項があるから,最初に記すことにする.

6-リンゲルコン酸脱水素酵素(6-PGD) 6-Phosphogluconate dehydrogenase

三輪 史朗

pp.1284-1285

採血から溶血液作製まで

 ブドウ糖-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)で述べたと全く同様に行なえばよい.

ピルビン酸キナーゼ(PK) Pyruvate kinase

三輪 史朗

pp.1285-1286

採血から溶血液作製まで

 G−6—PDで述べたごとくに行なう.白血球の混入が大きな影響を与えるので,十分この点に注意して混入を少なくするようにつとめることがたいせつである.PK活性比は赤血球:白血球は単位個数あたりで比較すると1:250である.

三炭糖リン酸イソメラーゼ(TPI) Triosephosphate isomerase

三輪 史朗

pp.1287-1288

採血から溶血液作製まで

 ブドウ糖−6—リン酸脱水素酵素(G−6—PD)で述べたと伺様に行なうが,異なる点は,溶血液の稀釈倍数で,G−6—PDでは赤血球浮遊液を再蒸留水で25倍稀釈するのを,TPIでは500倍稀釈して溶血液とする(活性が高いため).すなわちG−6—PD用の溶血液よりさらに20倍稀釈されるわけである.

グルタチオン還元酵素(GSSG-R) Glutathione reductase

三輪 史朗

pp.1288-1289

採血から溶血液作製まで

 ブドウ糖−6—リン酸脱水素酵素(G−6—PD)で述べたと同様に行なう.

NADHジアフォラーゼ(メトヘモグロビン還元酵素) NADH diaphorase

三輪 史朗

pp.1289-1290

採血から溶血液作製まで

 上記のブドウ糖−6—リン酸脱水素酵素からグルタチオン還元酵素までの項に述べてきたこととやや異なる.

カタラーゼ Catalase

三輪 史朗

pp.1291-1292

無カタラーゼ症検出のためのスクリーニンゲテスト

1.高原による方法

1)原理

膜 ATPase

倉科 周介

pp.1292-1294

 生体内で営まれる各種の生物反応が円滑に進行するためには,微妙に調整された反応条件の恒常性が必要である.しかも生体を浸す水圏および気圏は全体としては恒常的な環境を維持しながらも,局所的には変動常ならざるのが習いである.ために生物は外界との間に動的平衡を維持しつつなお自己の内部環境安定を可能とする各種の調節機構を発達させた.細胞膜に存する能動輸送(active transport)の機構もその1つである.これがATP消費反応であることを,細胞膜内外の1価陽イオン出納に関して確認したSkou1)以来,この反応の担体をNa-K-ATPaseもしくはtransport ATPaseと呼ぶ習慣がある.

 Na-K-ATPaSeは生物界に広く分布し,また生体内局在もおよそすべての実質組胞にわたる.しかし特に活性が高いことで注目されるのは脳,腎など細胞膜を介する電解質の移動が,その生理機能発現に重要な意義を有すると見られる器官である.他に特殊な例としては海鳥のsalt gland,デンキウナギの発電器官,ガマガエルの膀胱などが上げられる2)

病理

酵素の細胞化学 その基礎理論

高松 英雄

pp.1296-1297

 組織化学および細胞化学とは,組織内のどこの細胞または組織成分に,あるいはまた細胞内のどの部位に,いかなる物質.化学的組成があるのか,そしてそのあり方の正常と異常とを研究する学問である.すなわち,組織または細胞を地図になぞらえるならば,その中のどこという部位を明確にすることを特に重要視する学問領域である.したがって,その類縁関係にある他の細胞生物学一般に比べて,研究手技には制限があると同時に,また他の領域においては無用の研究手技が,この場合には開発されるように要求されている.

 組織化学および細胞化学は,形態学的な構造上の部位を重視するのであるから,観察するまでの間の諸操作によって,まず構造の破壊および目的とする物質の位置の移動を防がねばならぬ.組織の固定,切片作製の方法がこの領域の問題である.これらの問題については再びあとに述べることにしたい.

固定

渡辺 慶一

pp.1298-1303

 固定(fixation)とは,組織細胞の主成分である炭水化物,脂質,ことに組織細胞構造維持の主要素であるタンパクを安定化(stabilize)し,水や有機溶媒にも溶けにくい物質とすることで,これによって,一般組織学,あるいは組織化学,さらには電子顕微鏡観察などの諸操作によっても,変質,変形しない組織細胞の基本構造を保つことを目的とするものである.

 このような作用を持つものとしては,‘アルデヒド(aldehyde)’類,‘四塩化オスミウム(OsO4)’,‘塩化第二水銀’ ‘三酸化クロム’ ‘ピクリン酸’ ‘メタノール’ ‘エタノール’ ‘アセトン’ ‘塩酸’ ‘硝酸’などが知られているが,これらの固定作用の化学的原理の詳細については,紙面の制限もあり,ここでは省略し,他の成書1,2)にその説明をゆだねることにする.それより本項では,酵素組織細胞化学観察の操作の一環として行なう‘固定’の,もっと具体的な面に主眼をおいて説明を加えていきたいと思う.

切片作製法

下里 幸雄 , 小出 勉 , 池田 みな子

pp.1304-1308

 酵素検査法の1つとしての組織化学的方法は,組織あるいは細胞内での酵素の局在を知るために用いられる.そこで,すぐれたよみやすい標本を作るために,きれいな切片を作製することが正しい組織化学的検査の第一歩といえよう.病理診断において.不適当な標本が誤診のもととなるように,酵素組織化学的検査でも不良な標本は誤った結論へ導く1つの大きな原因ともなろう.酵素組織化学のための切片作製法そのものは,通常,病理診断に用いる凍結切片作製法と大差はないが,酵素を扱う以上,常に酵素活性の保存に留意しつつ組織の処理をしなければならない.

 酵素の種類あるいは検査の日的に応じて,生の組織を用いるか,固定した組織を用いるか,あるいは真空凍結乾燥を行なった組織を用いるかが決まってくる.また光顕レベルでの所見で十分なのか,さらに超微構造との関係を知るべく電顕的方法を用いるべきなのかによって切片作製法も当然異なってくる.凍結乾燥試料の薄切法は,パラフィン切片作製法にほぼ準ずるので省略し,ここでは光顕用の凍結切片作製に重点をおいて述べてみよう.

ブドウ糖-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PDH) Glueose-6-phosphate dehydrogenase

佐々木 光雄

pp.1308-1309

ブドウ糖-6-リン酸脱水素酵素の作用と組織化学への応用

 本酵素は糖代謝の中で,ブドウ糖-6-リン酸からペントースリン酸回路にいたる6-ホスフォグルコノラクトンとの間を触媒する酵素で,ブドウ糖-6-リン酸を脱水素的に酸化して-6-ホスフォグルコノラクトンを形成する(図1).

 そこでG-6-PDHはNADP依存酵素であるから,この反応には助酵素NADPが必要である.

α-グルコシダーゼ a-Glucosidase

佐々木 光雄

pp.1310-1311

α-グルコシダーゼの作用と組織化学の応用

 α-グルコシダーゼはα-配糖体結合に作用して加水分解する酵素で,おもにマルトースその他のオリゴ糖を基質として作用するものと理解されているが,この酵素はグリコーゲンのごとき多糖にも作用してブドウ糖を生ずる.

 本酵素が臨床医学上最も問題になるのは,この酵素の先天性欠損症が,いわゆるPompe病(type II glycogenosis)として知られる著明なグリコーゲン蓄積症を起こすことによる.したがって本酵素の生物学的機能としてはグリコーゲン分解能が重要なもののごとく考えられる.

ホスフォリラーゼ Amylophosphorylase

佐々木 光雄

pp.1311-1314

ホスフォリラーゼの作用と反応機構

 一般に広い意味でホスフォリラーゼという場合は,次の式のごとくグリコシド(glycoside)結合の物質が加リン酸分解される場合に触媒する酵素を総称している.

グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ Glutamic oxaloacetic transaminase(GOT)

佐々木 光雄

pp.1314-1315

GOTの作用と組織化学への応用

 GOTはアミノ基転移酵素の1つで,α-ケトグルタール酸のアミノ基をL-アスパラギン酸に転移させ,L-グルタミン酸とオキザロ酢酸とを生ずる反応を触媒する.本酵素が生体のアミノ酸代謝に重要であるのみならず,臨床的には心筋硬塞や肝障害時の血清GOT値の変動が,それらの疾病診断に必須のものとなっていることは周知のとおりである.

 本酵素の組織化学的証明は,ジアゾニウム塩を用いてアゾ色素法で証明する方法を考案した岸野の方法が最初で,その後今日まで若干の改良が加えられている.この証明法の基本的な原理は,基質であるL-アスパラギン酸とα-ケトグルタール酸からGOTの作用で生じた酵素反応産物L-グルタミン酸とオキザロ酢酸のうち,オキザロ酢酸が容易にジアゾニウム塩と結合してオキザロ酢酸-ジアゾニウム化合物を形成して有色の沈殿を生ずることによる.

ドーパオキシダーゼ DOPA oxidase/チロジナーゼ Tyrosillase

安田 健次郎

pp.1316-1318

DOPAオキシダーゼとチロニダーゼ

 DOPAオキシダーゼはDOPAすなわちジハイドロオキシフェニールアラニンに作用してこれを酸化し,メラニンの形成に関与する酵素である.

 しかしながら本酵素はチロニダーゼとの関係がきわめて複雑である.歴史的にみると,最初に本酵素の存在を報告したのはBloch(1917)である.彼はDOPAを基質として組織化学的研究を行ない,黒褐色の色素すなわちメラニンの形成を認め,哺乳動物の皮膚の特定の細胞(メラニン芽細胞:melanoblast)の細胞形質内にDOPAオキシダーゼがあることを報告し,メラニン形成はチロジンからではなくDOPAが酸化されて行なわれるものであると推論した.

カタラーゼ Catalase

安田 健次郎

pp.1319

いとぐち

 カタラーゼは,過酸化水素を水と酸素とに特異的に分解する酵素である.すなわち同酵素は補欠分子族として4個のプロトヘムを含む分子量25万のタンパク質でチトクロームオキシダーゼ,ペルオキシダーゼとともに鉄ポルフィリン酵素の一種類である.次の反応を触媒する.

2H2O2→2H2O+O2

ATPase Adenosine triphosphatase

堀 浩

pp.1320-1321

ATPaseとは

 ATPaseとは,一般にATP→ADP+Piの反応を触媒する酵素のことである.組織化学的にこの反応を証明することはそんなに困難なことではないが,得られた結果の判定はややむずかしい.なぜならATPaseでなくともATPを加水分解する酵素は他にいくつもあるからである。そのうち最も卑近なものはアルカリホスファターゼであろう.どうしたら本当のATPaseとその他のものを区別できるかはかなりめんどうな問題であるが,それについては結果の項でふれるとして,まず固定染色の方法を先に述べる.

非特異性エステラーゼ Non-specific esterase

水谷 昭

pp.1321-1324

いとぐち

 エステラーゼは広義では有機酸あるいは無機酸とアルコールからエステルを生成し,また逆にエステルを加水分解して酸とアルコールを生ずる反応を触媒する酵素の総称である.したがってリン酸エステルの生成分解に働くホスファターゼや,硫酸エステルの生成分解に働くスルファターゼ(sulfatase)などもこれに含まれる.それらの中で,

R-COOR'+H2O⇄RCOOH+R'OH

コリンエステラーゼ(ChE) Cholinesterase/アセチルコリンエステラーゼ(AchE) Acetylcholinesterase

水谷 昭

pp.1324-1325

いとぐち

 エステラーゼの中でアセチルコリンで代表されるところのコリンエステルを加水分解する酵素をChEと呼ぶ(図).

 そのうちで主としてアセチルコリンのみに作用するものをtrue ChEまたはAchEと呼び作用範囲の広いpseudo ChE(または単にChE)と区別している.AchEは神経組織,神経筋終板,赤血球,精子などに存在し,臨床検査の対象となるところの血清ChEとは別のものである.後者はpseudo ChEに属し,肝,膵,腸管粘膜などに強い活性を示すものと同類である.

アミノペプチダーゼ Aminopeptidase

水谷 昭

pp.1326-1327

いとぐち

 ペプチドの合成・分解に関与するプロテアーゼ(protease)群の中で,組織化学の対象として確立しているのは,アミノペプチダーゼとカテプシンⅢのみで,しかも,これらの反応の特異性についてはなお疑問の点が残されている.ここにはアミノペプチダーゼのみ紹介する.

ペルオキシダーゼ標識抗体法

梅村 慎一郎

pp.1327-1329

 細胞または組織において抗原の存在を正確に知る手段として,螢光抗体法が広く用いられているが,近年酵素を標識した抗体グロブリンを染色しその局在を観察する新しい方法として,酵素抗体法がNakaneらによって開発され一般に普及しつつある.

 この方法は螢光抗体法に比較して多くの利点をもつとはいえ,いまだ多くの人々によって検討され,改良されつつある時期にあり,欠点もあることなど十分な理解のうえで利用しなければならないのが現況である.

ホスファターゼ(アルカリ,酸) Phosphatase/β-グルクロニダーゼ β-Glucronidase(β-GL)

鈴木 裕

pp.1329-1336

いとぐち

 酵素組織化学の臨床面への応用としては,すでにアルカリホスファターゼにおいて慢性骨髄性白血病と他の白血病との鑑別法として,その位置を確立し,また最近では,いわゆるリソソーム酵素である酸ボスファターゼ,β—グルクロニダーゼについても,おもに白血病も中心とした各種血液疾患に応用され,論文も多数発表されている.

 一方,これら酵素の検出法(染色法)に関しても,朝長らを中心として詳細な検討がなされ,一応標準法といえるような方法も確立された.これらの酵素反応を臨床検査の1つとしてギムザ染色やPAS染色などと同じように,ルーチンに行なっている血液検査室もかなりの数にのぼっているようである.

細菌

ゲラム陰性杆菌(腸内細菌とその類似菌)の酵素化学的検査とその意義

橋本 雅一

pp.1338-1343

ホーゲス・プロスカウエル反応(Voges-Proskauer reaction)

1.いとぐち

 Voges & Proskauer(1898)は,乳糖を分解する大腸菌類似の細菌の中に,ブドウ糖加培地に発育させ水酸化カリウムの濃厚溶液を加えると,大腸菌とは違って,菌液が徐々に赤くなりまた螢光を呈するような変化を起こす菌群があることを明らかにした.この反応がVoges-Proskauer(VP)反応と呼ばれているもので,現在ではある種の細菌によって炭水化物が分解した結果産生されたアセトイン(acetoin,アセチル・メチル・カルビノール;acethylmethylcarbinol)を検出する試験であることが知られ,腸内細菌,特に大腸菌群の鑑別,腸炎ビブリオの生物型の決定に用いられている.

細菌検査における病原球菌の酵素化学反応

江田 亨

pp.1343-1345

 病原球菌ことにブドウ球菌(以下ブ菌),レンサ球菌は多種多様の菌体外毒素あるいは酵素を産生し,これら菌種による感染あるいは免疫に重要な役割を果たしている.他方これらの菌体外代謝産物を証明することは,細菌検査室における生物学的性状検査の一環として菌の鑑別,同定に広く用いられている.病原球菌といえぼブ菌,レンサ球菌,肺炎球菌などのグラム陽性菌およびリン菌,髄膜炎菌などのNeisseria属が臨床の実際面で重要である.

 これらのうちレンサ球菌は,ストレプトキナーゼ,ストレプトドルナーゼ(DNase),ヒアルロニダーぜ,プロティナーゼなどの菌体外酵素を産生するが,検査室の実.際面では溶血性,バシトラシン感受性,食塩耐性,増殖温度,SF培地増殖能などの生物学的性状で鑑別,同定され,特に酵素反応は用いられていない1,2).また肺炎球菌の菌体外酵素はほとんど知られておらず,したがって溶血性,オプトヒン感受性,胆汁酸溶解性,イヌリン分解能などにより類似菌から鑑別,同定されている1,2)

抗酸菌の酵素化学的検査法

豊原 希一

pp.1345-1348

はじめに

 抗酸菌(Mycobacteria)の同定には現在,酵素化学的検査法の比重が高くなっている.これは抗酸菌の生化学の研究が発展し,多くの酵素反応を同定に応用できるようになったことと,抗酸菌の分類が非定型抗酸菌の命名や意義をめぐり混乱し,従来のBergey分類1)を再分類せざるをえない状態になっているからである.酵素検査法を活用するには抗酸菌の分類が,最近のどのようになっているか,一応頭にに入れておく必要があるので,それを表1に記しておく.なお新分類はまだ決定的なものではないので,ある程度私見がはいるがご了承願いたい.

 臨床的に意義の少ない迅速発育菌を抗酸性雑菌と通称する.

細菌尿の酵素化学的検査法とその実用性

清水 喜八郎

pp.1348-1350

 尿路感染症の診断で細菌尿の検査がたいせつであることは衆知の事実である.尿1ml中に10万個(105/ml)以上の細菌の存在は,診断をほぼ確実にする.

 尿の定量培養は広く行なわれているものの,日常多数の検体について,スクリーニング検査として行なうことは,いかなるところにおいても必ずしも可能というわけではない.

血清

溶連菌酵素に対する抗体の検査法

大国 真彦

pp.1352-1356

溶連菌酵素とは

 人体に溶連菌の感染が起こった場合,人体はこれに対して抗体を作る.この場合,溶連菌の菌体外毒素に対する抗体と,溶連菌の菌体成分に対する抗体とが産生されるが,この菌体外毒素は溶連菌の産生する酵素である.

 溶連菌が産生する菌体外毒素には多くのものがある.ストレプトリジン-O,ストレプトリジン-S,ストレプトキナーゼ,ヒアルロニダーゼ,デスオキシリボヌクレアーゼB(ストレプトドルナーゼB),NAD-アーゼなどがおもなものであるが,このそれぞれに対して人体は抗体を産生する.しかし現在のところ一般に用いれらるのはASO(streptolysin-Oに対する抗体),AHT(Hyaluronidaseに対する抗体),ASK(Streptokinaseに対する抗体)などであり,それ以外の菌体外毒素あるいはMタンパクなどの菌体成分に対する抗体は,現在かなりのものが測定できるが,一般的にはルーチンとしては測定されない.それゆえここではこの3者の測定法について述べる.

赤血球の酵素処理と血液型検査

井関 尚栄 , 古川 研

pp.1356-1359

汎血球凝集反応(Panhaemagglutination)

 汎血球凝集反応1)とは,正常血球にM菌,J菌などのほか特殊な細菌が作用して,酵素作用の結果,変状血球となり,どの血清にも凝集反応を起こす現象をいう.この現象をトムセン氏現象(Thomsen-phenomenon)ともいい,酵素作用の結果,生じてきた変状血球の新しい抗原をT抗原と呼ぶこともある.おそらくタンパク分解酵素を出す細菌の作用によって,このような現象を起こすようになるものと考えられている.したがって,変状した血球を知らずに血液型の判定に使用した際には,血液型の判定の誤りをきたすので,室内に放置しておいたような古い血球を使用する際には注意を要する.

 しかし,このような現象の発見があってから,次のように積極的に酵素処理血球を使用して血液型の研究を行なう気運が生まれてきたことも確かである.

酵素としての補体 先天性血管神経性浮腫の診断

永木 和義

pp.1359-1363

はじめに

 補体(Complement, C)は単一な物質ではなく,現在までに少なくとも9成分が知られている.これらの成分は抗原抗体結合物と反応する順序によりC1, C 4, C 2,C3,C5,C6,C7,C8およびC9と名づけられており,このうちC1はさらにC1q, C1rおよびC1sの3成分に分かれる.これらの補体成分の中のいくつかは酵素活性をもつが,最も早く知られかつ重要なものが,C1のもつエステラーゼ活性で,活性化されたC1(このうちのC1sがその活性をもつ)はまたC1エステラーゼとも呼ばれている.

 C1エステラーゼは血清中では通常活性をもたない前駆物質(Proesterase)の形で存在し,抗原抗体結合物,トリプシン,プラスミンなどにより初めて活性化される.しかし生体内ではこの活性化を阻害する物質が存在する.これはC1エステラーゼ抑制因子(またはC1不活性因子,C1INH)と呼ばれるα2—グロブリン領域に電気易動度をもつ分子量約16万のニューラミン糖タンパク体で,活性化されたC1エステラーゼ活性もおさえるし,また近年判明したことであるが,C1r,カリクレインなどの活性も阻害する.

座談会

酵素検査法と臨床

織田 敏次 , 玄番 昭夫 , 吉田 陞 , 坂野 重子 , 松村 義寛

pp.1365-1374

 本号で臨床検査に関係の深い約50種の酵素の検査法を解説した.ここでは,酵素がどのように臨床検査に有用なのか,臨床的に酵素検査がどのように解釈されているのか,また最近注目されているアイソザイムとはどんな性質を有するのかを検討し,さらにその診断的価値を,検査・臨床の両サイドから追求する.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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