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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻8号

1971年08月発行

文献概要

RI検査の基礎・2

放射性崩壊の法則

著者: 吉川春寿1

所属機関: 1日本放射性同位元素協会

ページ範囲:P.793 - P.798

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放射能の強さ
 放射線は原子が1個崩壊することに出るのであるから,放射能の強さは単位時間あたりの崩壊原子数,すなわち崩壊の早さ(disintegrationrate)で表わされる.単位としては,毎秒原子崩壊数(disintegration per second)略してdpsをそのまま用いてもよいが,普通は3.7×1010dpsをとってこれを1キュリー(curie)といいCiで示す.1Ciは元来は1gのラジウムと放射平衝にあるラドンの量として定められた単位であるが,のちにすべての放射性核種に拡張され,今では上述のように定義されている.10−3Ci,10−6Ci,10−9Ci,10-2Ciをそれぞれミリキュリー(mCi),マイクロキュリー(μCi),ナノキュリー(nCi),ピコキュリー(pCi)という.
 放射能の強さを実際に測定装置を用いて測るときには,必ずしもその放射線全部を数える絶対計数(absolute counting)の必要はない.いわゆる相対計数(relative counting)で十分目的を達することが多い.たとえばGM管などで放射能の強さをはかる場合,放射体から出る放射線粒子は空間のあらゆる方向(立体角4π)へ向かうのに対して,GM管の中にはいって計測されるのは一部にすぎない.それでも,同じ核種について,再現性のよい条件で測定するのであれば,測定にかかってくる放射線対全放射線の比率は一定であるから,実際に測った計数値だけで放射能の大小を比較するには実用上さしつかえない.したがってトレーサー実験では特別な技術を要する絶対計数はせずに,相対計数だけですませるのである.実際に測定にかかってくるその比率を計数効率(counting effciency)といって,もしもこれがわかっていれば,計数率(単位時間の計数値)から放射能の強さの絶対量を求めることもできる.廃棄物中の放射能を知るとか,放射能の生物的作用を考える場合には,このようにして実測値から絶対量を求めなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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