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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻13号

1972年12月発行

文献概要

公害物質の検査法・5

著者: 松本久男1

所属機関: 1久留米大公衆衛生

ページ範囲:P.1540 - P.1546

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 鉛中毒はこれまでも重金属中毒の中では最も多い中毒であった.近年になって塩化ビニール安定剤としてのステアリン酸鉛の使用とか,鉛活字を使用する新聞など印刷物の増大などで使用が増加している,また自動車の驚異的増加とともに廃物となった鉛蓄電池から鉛を回収するため故鉛業が多くなり,多くの鉛中毒患者が出るようになった.さらに自動車排気ガスに含まれる鉛は環境汚染の重要問題ともなっている.このような状勢のもとで鉛の人体暴露と影響を診断するためには血中・尿中の鉛量を測定することが不可欠であり,正確にして迅速な測定法が強く要望されている.
 本稿では著者がこれまでの実験経験などから得た血液,尿中の微量鉛の測定法に関する知見を解説したいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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