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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻13号

1972年12月発行

文献概要

Senior Course 細菌

細菌の分類についての最近の研究方法

著者: 橋本雅一1

所属機関: 1東京医歯大微生物

ページ範囲:P.1588 - P.1588

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 近ごろPasteurella PestisとかPast. Psezadotnbercnlosisを新しい属genus Yersiniaと分類し,これにYersinia enterocoliticaをも含めるという分類的な考え方があることについてはすでに述べておいたし,またEnterobacterについての分類法も,研究者によってかなり違った基準が採用されていることについてもこのシリーズで触れておいた.このような傾向は,われわれを含めて,実際に臨床細菌学に従事しているものにとっては,分離された細菌の同定にあたって非常に当惑する点である.
 すでに細菌学がかなり長いそれ自体の歴史をもっているのに,なお腸内細菌の分類でもこのような大きな変革があるのでは,今後もこのような事態が起こる可能性もあることを示しているので,現在の分類などあまり当てにならないではないか,あるいはその診断名を自信をもって報告書にかけないことになる,などという思いをいだいたとしても,きわめて当然のことといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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