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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻3号

1972年03月発行

文献概要

Senior Course 血液

血餅退縮

著者: 安永幸二郎1

所属機関: 1京大・第1内科

ページ範囲:P.332 - P.332

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 凝固した血液はしだいに収縮して血餅となり,血清を析出する.この現象を血餅退縮(clot retraction)といい,血小板の機能と密接な関係のあることが知られており,血小板減少でも減退する.血餅退縮の機序については血小板中のactomyosin様タンパク(thrombosthenin)の収縮が関係し,血小板中のATP分解によって収縮のエネルギーが供給されるものと考えられている.血餅退縮に先だって血小板の凝集やフィブリン糸への粘着がみられるところから,血小板は一応viableでなければならないと思われるが,この点については若干の異論がある.また血餅退縮は血漿中のフィブリノーゲン量,トロンビン量が関係し,pH,ブドウ糖,陽イオンなども影響をもっている.
 血餅退縮試験は退縮の時間や析出血清の量で表わすことができ,一般には後者が用いられるが,これにもいろいろの表現方法がある.貧血では当然,析出血清量が多くなるからヘマトクリット値で補正しなければならない.以下われわれが用いているTocantinsの変法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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