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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻9号

1972年09月発行

文献概要

特集 負荷機能検査法

起立性タンパク尿

著者: 海老原昭夫1

所属機関: 1東大第2内科,中央検査部

ページ範囲:P.1003 - P.1004

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意義
 一見正常にみえる人,特に思春期の人に昼間,起立時にタンパク尿が出現し,夜間臥床中に消失することがある.これを起立性タンパク尿(orthostatic proteinuria)と称する.また体位性タンパク尿(postural proteinuria)と呼ばれることもある.器質的腎疾患があってすでに存在するタンパク尿が,起立位をとることによって増加するような場合もあるが,これは起立性タンパク尿とはいわない.また過激な運動,精神感動,うっ血性心不全などで起こるタンパク尿も機能的タンパク尿(functional proteinuria)と称され,起立性タンパク尿とは区別される.
 起立性タンパク尿は起立時にみられるわけであるが,その出現には体位が最も重要である.一般には前彎位(lordosis;うしろにのけぞった姿勢)で著明となり,立位の前彎位で最高となるが,臥位の前彎位でも陽性となることがある.ふつう,立位でも臥位でも,後彎姿勢をとるとタンパク尿は消失する.タンパク尿の程度は一過性にはかなり高濃度の時もあるが,ふつうは1日1g以下である.電気泳動ではアルブミンが多く,尿沈渣で赤血球,白血球,上皮細胞,円柱などが増加することもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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