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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻9号

1972年09月発行

文献概要

特集 負荷機能検査法

血色素尿,寒冷凝集素,寒冷溶血素

著者: 三輪史朗1

所属機関: 1山口大・第3内科

ページ範囲:P.1008 - P.1011

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血色素尿(Hemoglobinuria)
 血色素尿はまず血尿と区別することを要する.血色素尿は透明で鮮紅色(オキシヘモグロビンの状態のとき)またぱ濃褐色(メトヘモグロビン)を呈し,遠心しても色調に変化なく,沈渣に赤血球を認めない.酸性尿の場合にはただちにメトヘモグロビンになるので濃褐色調を呈し,アルカリ性尿の場合には鮮紅色を保つ.ラキサトール(下剤),大黄(下剤),サントニン(駆虫剤)などの服用時は,尿がアルカリ性のとき紅色を呈するので誤りやすいが,酸を加えると退色するので区別できる.
 血色素尿は赤血球が多量に血管内で壊れるとき,すなわち血管内溶血のときに生ずる.溶血の起こり方には血管外溶血,すなわち障害赤血球ないし老化赤血球が肝,脾,骨髄などの細網細胞に貧食され処理される場合と,血管内溶血による場合とあり,ふつうの処理機転は血管外溶血であり,血中に大量の血色素が出ることはない.血管内溶血を起こすのは後述するような特別な場合に限られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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