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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻10号

1973年10月発行

文献概要

技術解説

浸透圧とその測定法

著者: 太田隆志1 菊池聖司1 江良和雄1 太田和夫1

所属機関: 1東京女子医大腎センター

ページ範囲:P.1061 - P.1070

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 生体は,ほぼ60%を水で占められており,生体のほとんどの機能はこの体液の中で営なまれている.体液の中に溶解している個々の物質によって起こる生化学的代謝反応も重要な意義をもつことは言うまでもないが,体液全体として示す物理化学的な性質を知ることもきわめて重要な意味をもつ.ここで物理化学的性質とは,溶解している物質の粒子の数,溶媒としての水の性質などによって決定されており,生体の細胞膜が半透膜であるため,そこに生じる体液の浸透圧が生体の機能に与える影響はきわめて大きい.
 浸透圧の測定が容易に,かつ正確にできるようになってきたが,まだまだごく限られた分野でのみ行なわれている観が強い.しかし浸透圧の測定が臨床面での日常の診断・治療に大きな役割りをもっているので,浸透圧計の原理,構造およびその操作などについて解説し,原理的な面にも触れてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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