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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻10号

1973年10月発行

文献概要

総説

人畜共通感染症—Zoonoses

著者: 今泉清1

所属機関: 1国立予防衛生研究所獣疫部

ページ範囲:P.1090 - P.1096

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 人畜共通感染症(人畜共通伝染病—このほうがむしろ広く用いられている)とは,脊椎動物とヒトとの間に自然に移行しうるすべての病気または感染をいう.人畜共通感染病では,ヒトと動物との結びつきを明らかにすることがポイントである.したがって,病原,臨床,病変,治療などの細部についてはそれぞれの専門書にゆずるべきである.
 人畜共通感染病という言葉はだれがわが国で初めて用いたのかよくわからないが,ギリシヤ語のanthropozoonosesの訳で,初めは人獣伝染病であったが,いつごろからか獣より畜のほうが多く用いられるようになった.Anthropozoonoses(anthropo—ヒトの意味の連結形)は厳密には,ふつう動物に発生している感染病がヒトにきた場合の表現で,これに対して,zooanthroponosesはふつうヒトに発生しているものが動物にきた場合の表現である.現実には,zoonosesが国際的に広く用いられている.日本語は,獣,畜,感染病,伝染病,感染症などまことに多様すぎるので,この際片かなのゾーノーシスを提唱する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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