文献詳細
文献概要
検査機器のメカニズム・22
超音波洗浄機
著者: 柿沼建1
所属機関: 1サクラ精機理器技術部
ページ範囲:P.1156 - P.1157
文献購入ページに移動1.超音波洗浄とは
早くから機械工業,水産業などの分野においては超音波を利用した機器がそれぞれの目的に応じて使用されており,特に生産部門における省力化機器としての機能は大いに発揮していたところである.近来,医療関係の分野においても超音波のもつ機能を応用した機器(例:超音波診断装置,超音波治療装置など)の開発が急速に進み実用化されており超音波洗浄装置などもその1例である.人間の耳に聞こえてくる音は約16-18,000Hzまでの範囲の振動音だと言われており,それ以上の振動音はほとんど聞こえずこの不可聴域の波長を超音波と称している.この超音波を液体のなかで発生させると無数の気泡が生じ,これが生じては消滅をくり返し,さながら液体が沸騰しているかのような状態となる.この現象を称して空胴現象(キャビテーション)と言うが,この時に生ずる大きなエネルギーが固体性の付着物を溶解せず直接破砕して,微粉となり洗浄液中に分散させる作用となる.超音波を利用して行なう洗浄方法の特徴は,超音波の直進性と不可聴音(20—30KHz,出力300-600W)のために騒音が少なく洗浄液中に発生した超音波は液体中を伸縮波として進み固体(被洗浄物)表面に達するが境界面に付着している汚れ層との間に加速的な力が働き境界面に間隙ができあがることである.
早くから機械工業,水産業などの分野においては超音波を利用した機器がそれぞれの目的に応じて使用されており,特に生産部門における省力化機器としての機能は大いに発揮していたところである.近来,医療関係の分野においても超音波のもつ機能を応用した機器(例:超音波診断装置,超音波治療装置など)の開発が急速に進み実用化されており超音波洗浄装置などもその1例である.人間の耳に聞こえてくる音は約16-18,000Hzまでの範囲の振動音だと言われており,それ以上の振動音はほとんど聞こえずこの不可聴域の波長を超音波と称している.この超音波を液体のなかで発生させると無数の気泡が生じ,これが生じては消滅をくり返し,さながら液体が沸騰しているかのような状態となる.この現象を称して空胴現象(キャビテーション)と言うが,この時に生ずる大きなエネルギーが固体性の付着物を溶解せず直接破砕して,微粉となり洗浄液中に分散させる作用となる.超音波を利用して行なう洗浄方法の特徴は,超音波の直進性と不可聴音(20—30KHz,出力300-600W)のために騒音が少なく洗浄液中に発生した超音波は液体中を伸縮波として進み固体(被洗浄物)表面に達するが境界面に付着している汚れ層との間に加速的な力が働き境界面に間隙ができあがることである.
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