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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻11号

1973年11月発行

文献概要

豆知識

グルコースメーター

著者: 中甫1

所属機関: 1三井記念病院検査科

ページ範囲:P.1284 - P.1284

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 血糖測定は,負荷試験も含めて測定件数の多いものの一つである.また,緊急検査項目としても欠くことができない.したがって,自動化を考える場合に,単位時間における処理能力のみならず,任意の時間に,迅速に測定できる融通性も持ち合わせている機器があれば便利である.血糖測定法もO-TB法の普及でかなり簡単になったが,一方ブドウ糖に特異的な酵素反応を用いた測定法も,試験紙法のような簡易迅速測定がある.酵素反応を用いた方法は,それを比色測定する場合に,色原体を用いて発色させているが,第2の酵素としてペルオキシダーゼを用いる方法は,試料中に存在する還元物質により負の誤差を生じることがある.また,カタラーゼを用いる方法は,生じたHCHOを発色させるのに時間がかかるなどの問題点が残されている.これらは,いずれもグルコースオキシダーゼの作用で生成したH2O2を測定していることになるが,酵素反応で消費された酸素を酸素電極で測定する,いわゆる電気化学的手法を組み合わせた測定法もある.最近,Beckman社で製造されているグルコースアナライザーERA−2001は,酵素反応で消費される酵素をポーラログラフ式酸素センサーを用いて消費率を求めブドウ糖を測定する方法で,1検体10秒の速さでしかも比色法のように他物質の影響もなく正確に測定できる機器である.測定原理は,酵素反応と酸素消費量測定に大別される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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