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特集 自動化臨床検査法 データ処理
A-D変換器の基礎知識
著者: 大森昭三1
所属機関: 1東京逓信病院臨床検査科
ページ範囲:P.1379 - P.1383
文献購入ページに移動 その昔,容量分析,重量分析法などを用いて細々と行なわれていた生体成分定量分析の歴史は,肉眼比色,さらには光電光度計による比色分析の時代にはいり大きく変貌を遂げた.Duboscqの比色計,Stufenphotometerなどといっても読者の大半はご存知ないであろうが,当時においては最新鋭の装置として大いに威力を発揮したものであった.そして光電光度計が開発されるに及んで,微量試料による精密分析が可能となり,臨床検査は大きく飛躍した.現在では,臨床検査のデータなしでは疾患の診断,治療はほとんど不可能であるといってもいい過ぎではないであろう.このこと自体は,臨床検査に従事するわれわれにとって喜ぶべきことであろうが,一方,臨床検査室はその業務処理のためきりきり舞いをさせられる結果となり,お手上げ寸前の状態にまで追い込まれた.そこへ救世主のように現われたのがTechnicon社のオートアナライザーであった.
ところで,オートアナライザーの最初の装置(基本型)では,試料の採取,希釈,除タンパク,試薬添加,混和,加熱,比色などの一連の化学分析の操作が自動的に行なわれはしたが,記録計に描かれた図型は単に物質濃度に比例するピークを示すものでしかなく,濃度への換算のためにはあらかじめ数本の標準試料を用いて検量線を描き,チャート・リーダーによって読み取らなければならぬ不便さがあった.
ところで,オートアナライザーの最初の装置(基本型)では,試料の採取,希釈,除タンパク,試薬添加,混和,加熱,比色などの一連の化学分析の操作が自動的に行なわれはしたが,記録計に描かれた図型は単に物質濃度に比例するピークを示すものでしかなく,濃度への換算のためにはあらかじめ数本の標準試料を用いて検量線を描き,チャート・リーダーによって読み取らなければならぬ不便さがあった.
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