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クリオスタットとゲラチンスライドによる凍結切片標本作製法
著者: 鈴木裕1
所属機関: 1慶大病理
ページ範囲:P.133 - P.146
文献購入ページに移動 クリオスタット(Cryostat)は凍結切片を確実・迅速に作ることを主目的として,最初は主に酵素組織化学の分野で使用され始めたが,その凍結切片作製の容易なことや迅速性によって,最近ではほとんどの病理検査室に設置され,迅速標本の作製や一般の凍結切片作製に今まで使用されてきた凍結法にかわって広く使用されるようになっている.
しかしその利用の現況をみると,酵素組織化学や免疫組織化学などを行なっている基礎関係部門を除いて,この機械の性能を十分に利用しきっている所はむしろ少なく,また常時使用しているとしても,新鮮凍結切片による迅速標本の作製に使用しているくらいのもので,それも従来の凍結法の代役程度になってしまい,これではせっかく買入した高価な機械もいたずらに場所を取るのみで,元の凍結法に逆もどりということにもなりかねないが,この原因を考えてみると,クリオスタットを使用した場合でも新鮮凍結切片以外は従来どおり,すべて遊離切片として扱うという方法にあると思われる,これでは従来の凍結法とあまり変わりはなく,凍結法に慣れていればこれで十分と考えるのは当然のことといえよう.
しかしその利用の現況をみると,酵素組織化学や免疫組織化学などを行なっている基礎関係部門を除いて,この機械の性能を十分に利用しきっている所はむしろ少なく,また常時使用しているとしても,新鮮凍結切片による迅速標本の作製に使用しているくらいのもので,それも従来の凍結法の代役程度になってしまい,これではせっかく買入した高価な機械もいたずらに場所を取るのみで,元の凍結法に逆もどりということにもなりかねないが,この原因を考えてみると,クリオスタットを使用した場合でも新鮮凍結切片以外は従来どおり,すべて遊離切片として扱うという方法にあると思われる,これでは従来の凍結法とあまり変わりはなく,凍結法に慣れていればこれで十分と考えるのは当然のことといえよう.
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