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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻2号

1973年02月発行

文献概要

総説

ペット(犬,猫)よりの寄生虫感染症

著者: 吉村裕之1

所属機関: 1秋田大・寄生虫

ページ範囲:P.166 - P.172

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 近ごろはペットブームといわれ,家庭における小動物飼育熱はますます盛んで,飼育動物の種類もふえつつある.このような中で,動物の移入先が東南アジアその他熱帯地方からのものでは,種々なる熱帯病の起病体がともに運搬されて来る危険性もないとはいえない.そうでなくとも最も身近なペットである犬,猫のごときが,その飼育管理のマナーの欠如から幼児を咬殺させたという社会問題がふえつつあり,またこれら動物の排泄物,なかんずく糞便の戸外散乱はひとつの公害であるのみならず,これらの寄生虫のある種のものが人,ことに幼児の砂遊びなどを通して感染の機会を少なからず推察させる.公衆衛生学的観点からも決して見のがしえない課題である.
 家畜寄生虫が時に人体へ侵入して起病性を発揮することはただに寄生虫のみならず細菌,ウイルス,リケッチアなど病原微生物に広く認められ,これらは人畜共通感染症(Zoonosis)として近年のトピカルな問題として取り上げられている.ここでは筆者の取り扱う寄生虫病のうち犬,猫から由来する興味ある感染症について筆者のささやかな経験例をも混えて紹介することにしたい.寄生虫病の種類と性状を列記すると表1のとおりである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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