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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻2号

1973年02月発行

文献概要

組織と病変の見方—肉眼像と組織像の対比

生殖器とその病変(2)

著者: 金子仁12

所属機関: 1日本医大 2老人病研究所基礎部

ページ範囲:P.221 - P.224

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 女性生殖器疾患として最も恐るべきは癌である.卵巣にも発生するが,最も多いのは子宮癌である.このうち95%は子宮膣部付近に発生する頸癌である.体癌はわずかである.前者は主として扁平上皮癌,後者は主として腺癌の組織像を呈する.組織像と細胞診をよく対比されたい.
 卵巣病変で最も多いのは嚢腫である.デルモイドチステ(皮様嚢腫),漿液性嚢腫,偽粘液性嚢腫とある。デルモイドチステは毛髪があったり,歯があったりする.嚢腫はいずれも良性である.クルーケンベルグ腫瘍(Krukenberg's tumor)は消化管ことに胃癌が卵巣に転移したもので,両側に発生し,若い成熟婦人に多い.組織学的に印環細胞の多いのが特徴である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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