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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻2号

1973年02月発行

検査と主要疾患・2

慢性肝機能不全症

著者: 畠山茂1

所属機関: 1横浜市大第2病理

ページ範囲:P.226 - P.227

文献概要

 この中で最も代表的なものは,肝硬変症であろう.肝硬変症の原因は多岐にわたりここでは取り上げないが,大きく分けて炎症性のものと代謝異常性のものになる.いずれにしても本来の肝組織の構造的な整合性が失われ,肝細胞の壊死と再生および線維化の進行に伴い,新たな構造上の再構築が現われる(図1).特に肝内門静脈末端のつぶれや肝動脈との吻合などによる門脈圧の上昇が特徴的で,食道静脈瘤形成(図2)や,皮下膀静脈の拡張によるメジサの頭(図3)などの側副静脈が目だってくる.
 図3の左側は,肝機能不全によるいろいろの症候を現わしたものであるが.まず強い血清アルブミン量の減少を伴う血清総タンパク量の低下が起こり,同時にグロブリンが増量し,それに対する反応(TTT, ZTTやCCFなど)が陽性に出てくる.逸脱酵素といわれるトランスアミナーゼの上昇は,肝硬変症の静止期にはあまり著明ではなく,しかもGOTのほうがGPTより高めにでる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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