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Senior Course 病理
細胞組織化学の歴史(2)
著者: 畠山茂1
所属機関: 1横浜市大第2病理
ページ範囲:P.237 - P.237
文献購入ページに移動 前回の,1910年ごろから始まった酸化酵素に関する研究を組織化学研究史の前期とすると,この方面の近代的学問は,1940年ごろに高松(1938),Gomori(1939)のホスファターゼに始まり,1960年代に至って開花しつつあるといえよう.話が酵素の組織化学に集約されてくるのは,細胞の機能を直接的に媒介しているのが酵素であるため,学問的努力がもっばら酵素の染着と構造の関係にはらわれてきたからである。
高松,Gomoriの方法が近代的組織化学の方法論の基礎になった理由は,酵素反応による反応産物をただちに捕捉し,酵素の局在する個所に沈着させて,顕微鏡下に観察を可能にする一般方式を打ち出したところにあった.すなわち酵素特異作用による酵素の局在化の一般的原理を見いだしたことによって研究の端緒が開かれ,その後続々と成果があげられるに至ったのである.
高松,Gomoriの方法が近代的組織化学の方法論の基礎になった理由は,酵素反応による反応産物をただちに捕捉し,酵素の局在する個所に沈着させて,顕微鏡下に観察を可能にする一般方式を打ち出したところにあった.すなわち酵素特異作用による酵素の局在化の一般的原理を見いだしたことによって研究の端緒が開かれ,その後続々と成果があげられるに至ったのである.
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