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ウイルス検査のための検体の取り扱い方
著者: 石井慶蔵1
所属機関: 1北大公衆衛生
ページ範囲:P.259 - P.270
文献購入ページに移動 各種の臨床検査が年を追って盛んになり,簡易化されているなかで,ウイルス検査の普及度が低いのには,特殊な設備,技術を要すると過度に考えられていたきらいがある.しかし,遅ればせながらしだいに利用されるようになってきた.それにはマイクロタイター法による手技の簡易化,試料の微量化も大いに寄与したと思う.また急性症だけに用いられていたウイルス検査が,亜急性硬化性全脳炎が麻疹ウイルスによって起こる1)ことがわかって以来,亜急性または慢性疾患においてもウイルスの関与がいくつかの疾患で疑われてきた.多発性硬化症がその一例で2),この方面からもウィルス検査の必要性は高まるであろう.
ウィルス検査を正しく行なうには3つの段階がある.第1は臨床的にウイルス性疾患が疑われたなら,ウイルスが検出される材料を早期に採取することである.この採取材料を正しく保管,検査施設に届けることが第2である.第3は材料の検査(ウイルスの分離または血清検査)で,以上の全段階が適切であった時,はじめてよい成績が期待できる.言いかえると,検査施設で努力しても,適切な材料が採取され,検査まで正しく取り扱われないかぎり,よい成績は得られない.
ウィルス検査を正しく行なうには3つの段階がある.第1は臨床的にウイルス性疾患が疑われたなら,ウイルスが検出される材料を早期に採取することである.この採取材料を正しく保管,検査施設に届けることが第2である.第3は材料の検査(ウイルスの分離または血清検査)で,以上の全段階が適切であった時,はじめてよい成績が期待できる.言いかえると,検査施設で努力しても,適切な材料が採取され,検査まで正しく取り扱われないかぎり,よい成績は得られない.
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