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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻6号

1973年06月発行

文献概要

カラーグラフ

ヘルペス細胞の特徴とその鑑別

著者: 石束嘉男12

所属機関: 1日大産婦人科 2厚生中央病院産婦人科

ページ範囲:P.590 - P.591

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近年,婦人科領域では膣あるいは外陰部の感染症のうち,単純ヘルペスによるものが増加の傾向にあり,ますます重要なものとなりつつある.
細胞診上,本感染症の特徴
(1)特異な単一の核内封入体(Intranuclear inculusion body)—その核は大きく,重積性で,形は円形あるいは楕円形.核縁にそってクロマチン集積がみられる.封入体の染色性は好酸窪,好塩基性いずれにもなりうる.核の内部は封入体を残して空洞化し,一見いわゆる洗い流された(Washed out)ような感じをあたえる.(2)多核巨細胞型の細胞型をとる一見ジンチチウム型トロボブラストに似ているが,それよりも核は大きく,また細胞質ははるかに少ない.(3)核内封入体出現に先だって一核は少し大きくなり,形も不同化し,核内部が霞がかかったような,あるいは汚れたような(Smudgy)状態になる.(4)本感染の水疱形成期にその水疱をやぶり疱疹の底部より資料を擦過して採取すると核内封入体をみつけやすい.これはだいたい,感染の第2週めの初め頃にみつかることが多い.(5)すべての変化はだいたい2週間程度で自然に消失するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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