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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻6号

1973年06月発行

文献概要

技術解説

ニュクリポアー・メンブランフィルターの利用法

著者: 古橋正吉1 佐藤久雄2 土崎南2

所属機関: 1東医歯大・中央手術部 2野村マイクロサイエンス社

ページ範囲:P.602 - P.608

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ニュクリポアー・メンブランフィルターと既存セルロース系メンブランフィルターとの比較
 ニュクリポアー・メンブランフィルター(ニュクリポアーと略す)はポリカーボネートの超薄皮膜(厚さ10-13μm)に,原子炉中で発生させた荷電粒子を照射してつくり出された飛跡を,ある種の化学薬品槽に浸して侵触させることによって穿孔されるものである.こうしてできたニュクリポアーは均一な孔径を持った円筒状の孔が1cm2当り数千万—数億個あいており,完全なスクリンフィルターとなっている.このため,孔径より大きな粒子はすべてフィルター表面に捕捉される.このような特長は従来のセルロース系メンブランフィルター(ニュクリポアー以外のもの)には見られなかった点である.
 図1はニュクリポアーの走査型電子顕微鏡による所見である.均一な孔径を有する孔が垂直にあいているのがわかる.図2は孔径より大きな粒子がフィルター表面に完全に捕捉された状態を示す走査型電子顕微鏡による所見である.これと比較する目的で既存のセルロース系メンブランフィルターの走査型電子顕微鏡所見を図3に示す.これで明らかなように均一な孔径の孔が垂直にあいているとは認め難い.このために粗大粒子ならば表面に捕捉されるが,微生物やほかの微細な粒子はフィルター内部に捕捉されることが容易に推測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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