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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻6号

1973年06月発行

文献概要

化学検査のうつりかわり・6

コレステロール

著者: 菅野剛史1

所属機関: 1慶大病院中検臨床化学

ページ範囲:P.644 - P.651

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 コレステロールが動物組織の不鹸化物質として分離されたのは1812年M.E.Chevreulによってである.しかし実際にコレステロールの化学的な構造などの研究がなされたのは1903年以降Adolf Windaus1)とOtto Diels2)らによってであり,digitonide生成,dibromideによる精製その他官能基の追求など単にコレステロールに限らず多くのステロイド化合物が生物界より単離されその構造が決定された.
 一方医学の領域においては1878年にXantho-matosisと血清脂質との関係がQuinquaudによって考えられ,1908年にはPick and Pinkus3)によって高コレステロール血症とXanthomaの関係は実証されている.またAnitschkow4)によって高コレステロール食飼にて飼育した家兎において,実験的粥状硬化症が生成することが1913年に報告され,以後脂質代謝と高コレステロール血症,さらにその病態について多くの研究がなされ今日に至るのである.しかしこれらの研究においてコレステロールはどのような方法で測定されていたのであろうか.血糖の測定法の歴史と,コレステロール測定法の歴史はそれ自体で戦国時代の群雄割拠の観をなすものであり,コレステロールにおいてはまだ諸国の統一はなされていないのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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