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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻6号

1973年06月発行

文献概要

検査と主要疾患・6

クッシング氏病

著者: 畠山茂1

所属機関: 1横浜市大・第2病理

ページ範囲:P.690 - P.691

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 人間の場合,糖質コルチコステロイドは大部分がコルチゾールとコルチゾンから成っているが,その過剰な分泌によって起こるのがクッシング氏病である.
 糖質コルチコステロイドは,異化ホルモンなので筋肉や骨梁への異化作用によって,アミノ酸を引き出すので,筋肉は弱くなり,骨質の吸収による骨多孔症を起こす,これらのアミノ酸は,肝で糖に変えられるので高血糖症の原因となり,余分の糖は脂肪となって蓄積されるので,この病気に特有な体幹を中心とした脂肪蓄積が目立ち,buffalohumpとかmoon faceと呼ばれる状態になる.また皮膚の弾力線維が弱くなって断裂するので,皮膚に赤い線条(striae)ができる(図1).またよくみられるステロイド性胃潰瘍は,胃酸とペプシン分泌が高まった結果である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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