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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻7号

1973年07月発行

文献概要

総説 免疫の基礎理論・2

Lymphokine Factorsとその免疫生物学的意義

著者: 山口康夫1

所属機関: 1日大・微生物

ページ範囲:P.742 - P.749

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 前号で,免疫応答のにない手であるT&B細胞免疫系の概要を紹介し,T細胞系が細胞性免疫(Cell-mediated immunity)を分担することを述べた.現在,遅延型アレルギー反応,同種グラフト拒絶反応,グラフト対宿主反応,細胞性感染防御免疫,腫瘍免疫,自己免疫の一部が細胞性免疫をベースとして発現されることが知られている.この細胞性免疫を適確に定義づけることはその実体に関する知識が不十分な現状ではむずかしいけれども,一応細胞抗体活性をもつT細胞系感作リンパ球がEffector cellsとなって惹起される免疫として理解される.ところが,近年このEffector cellsからさらにLymphokine facto-rs(Dumondeら1))という非抗体性メディエーターが産生されて起こることが明らかにされつつある.
 今回はLymphokine factorsの産生機序とその諸性状についての諸知見を解説的に述べ,さらに免疫生物学的意義についても考察を試みる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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