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ラテックス凝集反応によるオーストラリア抗原の検出法
著者: 伊藤忠一1 塗たか子1 福岡良男1
所属機関: 1東北大病院中検
ページ範囲:P.786 - P.788
文献購入ページに移動Australia抗原(Au抗原)といろいろな疾患とのassociation studyはかなり明らかにされてきつつあるけれども,まだその完成にはほど遠い.このようなassociation studyの完成にとって決定的な方法論上の隘路があるからである.方法論上の隘路として2つのことをあげることができる.1つはAu抗原の多様な抗原性であり,ほかは検出法の感度の問題である.
われわれは非常にしばしば‘Au抗原陰性血液’を輸血に用いたにもかかわらずAu抗原陽性のB型ウイルス性肝炎が発症するという奇異な現象を経験している.しかし,これを真実奇異となしうるであろうか.われわれが用いているAu抗原検出法の感度が鋭敏でないため一見‘Au抗原陰性’実は‘Au抗原陽性’である可能性はきわめて大きい.これはAu抗原検出法の感度と特異性を改善する研究の過程においてだいたい証明されてきた事項として著者は考えている.
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