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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻7号

1973年07月発行

文献概要

走査電顕の目・7

金米糖状赤血球

著者: 小川哲平1

所属機関: 1慶大・内科

ページ範囲:P.797 - P.798

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 赤血球膜は常に二次元の膜を作りやすい性質を持ち,外力で膜がきれてもすぐ穴が修復される.赤血球の崩壊つまり溶血には断片化(fragmentation)が重要な役割をし,金米糖状赤血球(crenated red cell)は断片化の前段階と考えられる.
 赤血球特有の中央部凹の円盤状という形態の維持は,ATPの膜に対する働きの1つとして重要なものと考えられている.中尾(真)らによるとATPのレベルが正常値の半分以下になると金米糖状に変形し,さらに1/10以下になると平滑球になる.この形状の変化は可逆的でATPレベルの低下した血液にアデニンとイノシンを添加して,ATPレベルを正常に戻すと特有の円盤状形に戻る.しかし,ATPがどのような機序で赤血球形態を維持するかについては明らかではないが,大西は赤血球膜からアクチン様およびミオシン様タンパク質を抽出したという.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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