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検査と主要疾患・7
全身性エリテマトーデス
著者: 有森茂1
所属機関: 1岡山大・第2内科
ページ範囲:P.806 - P.807
文献購入ページに移動 膠原病といわれる疾患群の中で,最も多彩な症状と検査所見を呈するのが,全身性エリテマトーデスである.本疾患の原因はまだわかっていないが,全身の結合組織に,フィブリノイド変性を中心とした慢性炎症像を認めることができる.その病変は血管の変化が主流で,病変の範囲も,皮膚や腎臓以外に,脳・神経,眼底,リンパ腺,胸腺,心臓,肺,肝臓,胃腸,膵臓,骨髄,甲状腺,性腺,骨格筋,骨・関節と五臓六腑にわたっていると考えてよい.このように完成した全身性エリテマトーデスは,臨床症状からだけでも診断は容易であるが,軽症あるいは緩解期にある全身性エリテマトーデスと,非定型的エリテマトーデス,たとえば溶血性貧血が主体であったり,大腿骨頭壊死が唯一の臨床所見であったり,血小板減少性紫斑病とかネフローゼ加味慢性腎炎が現在の診断名であったり,Raynaud現象や,末梢神経炎(多発性神経炎),更年期障害程度で見すごされている症例になると,これからのべる検査所見がはなはだ有力な武器となる.
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