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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻1号

1974年01月発行

文献概要

論壇

検査未来学

著者: 阿部裕12

所属機関: 1阪大内科 2阪大附属病院

ページ範囲:P.40 - P.41

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 臨床検査が医学の体系の中で重要な地位を獲得したのはきわめて最近のできごとである.19世紀の診断学上の発見が,聴診法(Laënnec,1816),体温測定(Traube,1850),血圧計(Riva-Rocci,1896)の3つしかないといわれるように,ほとんどの検査は今世紀に生まれた.すなわち,20世紀にはいるとレントゲン線の診断応用と心電図の発明に始まる各種の検査法の開発によって,臨床医学の体系は急速に客観化への道を進むことになった.
 わが国の臨床検査学の成長を大まかに3期に分けると,戦後の復興期,中央検査室の普及期,それに現在始まろうとしている再編期となろう.第1期は検査そのものが研究対象として扱われた時代であったが,この時期は検査の実用化によって急速に終わりを告げ,検査の種類が充実するにつれて検査室が作られ,これとともに専門職としての検査技師も生まれた.この過程にみられた思想の流れは,医学の客観化であり,情報化である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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