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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻1号

1974年01月発行

文献概要

検査と主要疾患・13

ネフローゼ症候群

著者: 上田泰1 石本二見男1 井上真夫1

所属機関: 1慈恵医大上田内科

ページ範囲:P.96 - P.97

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 "ネフローゼ症候群"とは次に述べるような定義の病態に名づけた症候群の名称であって,ひとつの疾患名ではない.したがって本症候群には原因疾患が必ず存在するわけで,診断にはもちろんのこと,予後の解析,治療法の選択には可能な限り原疾患を明らかにすることが必要である.成人患者を本症候群と診断するための必要な条件は,1)持続する多量のタンパク尿(1日3.5g以上),2)低タンパク血症(血清タンパク6.0g/dl以下,アルブミンなら3.0g/dl以下),3)高脂血症(血清総コレステロール250mg/dl以上),4)浮腫,の4つで,このうち1),2)が必須条件である.他に尿沈渣中の卵円型脂肪体,重屈折性脂肪体などの存在も診断の助けになる.
 本症候群の原因疾患では糸球体腎炎が最も多く(約70%),次いで代謝性腎疾患(糖尿病性糸球体硬化症,アミロイド症,骨髄腫など),膠原病(ループス腎炎など)があげられ,他に妊娠中毒症,腎静脈血栓症,中毒性腎障害,腎腫瘍,移植腎などもまれではあるが認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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