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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻1号

1974年01月発行

Senior Course 血液

白血球数の増加と減少—顆粒球—好中球

著者: 中島弘二1

所属機関: 1山口大第3内科

ページ範囲:P.114 - P.115

文献概要

 顆粒球数が異常値を示した時その解釈にあたってまず顆粒球の生体内でのカイネテックスについて理解しておかねばならない.顆粒球(主として好中球で好酸球,好塩基球も含む)は図1に示すごとく骨髄内で種々の刺激により幹細胞より分化した骨髄芽球が分裂増殖するとともに成熟し正常顆粒球となる.分裂能力のあるものは骨髄芽球,前骨髄球,骨髄球であり骨髄芽球から後骨髄球になるまで約3日,杆状球から分葉球になるまで4〜5日骨髄内でリザーブとして貯蔵される.末梢血に供給された顆粒球は血管内を血流に乗って組織に供給される.1度血管から組織に出た顆粒球は2度と血管内に帰ることはなく,そこで生体防御のため貪食作用,消化作用をいとなみ死滅していく.また血管内では流血に乗って流れている顆粒球circulating granulocyte pool(CGP)と毛細血管内皮に接着しているmarginal granulocytepool(MGP)が互いに交換しながらほぼ等量に分布している.すなわち,末梢血において検査できる顆粒球は骨髄から生体の組織に供給される途中の一部分であることを忘れてはならない.それは生体内の全顆粒球の1%以下にすぎない.
 末梢血管にはいった顆粒球は遅くとも10時間以内には組織へ出ていき,その量だけが骨髄より供給され,末梢血内には一定量の顆粒球数が保たれている.しかしそのバランスは日内変動があり,さらに14〜23日の周期的変動がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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