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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻1号

1974年01月発行

文献概要

Senior Course 血清

ウイルスの血清学的検査

著者: 中村正夫1

所属機関: 1国立東京第一病院研究検査科

ページ範囲:P.116 - P.117

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ウイルス性疾患の実験室内診断法,特に血清学的検査
 一般に行われているウイルス性疾患の実験室内診断法としては,1)ウイルス分離,2)血清学的診断,3)形態学的診断,封入体の検索,電顕による形態学的観察も応用されつつあり,螢光抗体法も利用価値が高い.4)皮内反応その他の方法が用いられている.ここではこれらのうち,血清学的診断について述べたいと思う.
 血清学的検査としておもに用いられているのは,補体結合(CF)反応,赤血球凝集抑制(HI)反応および中和試験(NT)である.その他,凝集反応,沈降反応,免疫吸着反応,ラジオアイソトープ沈降反応,感作血球凝集反応および螢光抗体法などが応用される場合もある.CFは最も広く用いられ,使用器具としても,梅毒血清反応のCFが実施できるところならば行いうる.しかし,血清学的に多くの形があり,類属反応を示す場合,また血清診断をするために多くの抗原を必要とする場合などには実用的価値は少なくなる.HIは赤血球凝集能を有するウイルスについて行いうるものであるから,その応用にも限界がある.NTは大部分のウイルスについて行いうるが,そのためには感受性動物,発育鶏卵または組織培養を必要とし,手間と費用の点からも一般臨床検査として利用しがたい場合も多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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