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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻10号

1974年10月発行

文献概要

異常値の出た時・22

血清鉄と鉄結合能

著者: 刈米重夫1

所属機関: 1京大・第1内科

ページ範囲:P.1080 - P.1085

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人体における鉄の分布
 人体にとって鉄は非常にたいせつな金属である.というのは血液中の赤い色素,すなわち赤血球内のヘモグロビンは鉄を構成成分としており,赤血球は体内に約1.5lもあるので,人体内の鉄のうちおよそ2/3はこのヘモグロビンの中にあることになる.
 その残り1/3弱は肝臓,脾臓などの実質臓器内に貯蔵鉄として存在し,約1/10弱が筋肉内の色素ミオグロビンとして存在し,全体の1〜2%が鉄を含む酵素内にあり,別の1%ぐらいが血清鉄として血清中に存在する.したがって身体全体の鉄のうち血清鉄はごく一部にすぎないが,組織から骨髄赤芽球へ鉄を運ぶ唯一の通路としての意義は非常に重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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