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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻10号

1974年10月発行

文献概要

研究

ヒトの染色体とその標本の作り方

著者: 角屋堯英1 山田喬1

所属機関: 1独協医科大学第1病理

ページ範囲:P.1105 - P.1110

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はじめに
 ヒトの染色体研究のはじまりはFlemming(1882)だといわれ,染色体(Chromosome)と命名したのはWaldyer(1888)であった.de Winiwarter (1912)は男47(XY),女48(XX)の染色体数を持つと発表したが,Painter(1923)は染色体数48(男)であると報告し,それ以後約30年間にわたり染色体数の論争が続けられた.1950年代にはいると新しい染色体標本作成法が開発され,水処理押しつぶし法(牧野と西村,1952),さらにHsu(1952)はそれと組織培養法とを併用した.それらを土台として1956年TjioとLevanは人の染色体数は男女ともに46個であることを初めて明らかにした.押しつぶし法も進歩し,現在広く使われている空気乾燥法(RothfelesとSiminovitch,1958)にまで発展した.1959年には人類細胞遺伝学史を飾る遺伝病を含めた先天異常のあるものが染色体異常と関連しているという発見があった.その発端はダウン症候群の染色体異常発見(Lejuneら)であり,次いでターナー症候群(Fo-rd),さらにクラインフェルター症候群が過剰X染色体であることをJacobsとStrongが発表した.そのようにして染色体異常例が数多く報告されてくると相互の関連がわかりにくくなってきて分類方式を統一しなければならない状態になってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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