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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査18巻9号

1974年09月発行

雑誌目次

カラーグラフ

子宮細胞診

池田 栄雄 , 田中 昇

pp.932-933

高い確診率と精度維持には十分訓練された細胞診スクリーナーと細胞診医の組み合わせによらなければならない.そのためには特別な訓練と研修がぜひとも必要である.日本臨床病理学会と日本臨床細胞学会と共同で細胞検査士資格認定の制度(C.T.(J.C.C.))が始められて5年になる.International Academy of Cytology (I.A.C.)も1971年にI.A.C.認定のCyto-technologist (C.T.(I.A.C.))の制度を始め,わが国からはC.T.(J.C.C.)にだけ受験資格が与えられ,95%の好成績で合格し,現在200名近いC.T.(I.A.C.)が生まれている.細胞診にはある方式と基準があって,オーソドックスな勉強方式が必要であり,これが標準化につながる.ここに日常しばしば遭遇する婦人科材料の細胞診をかかげて参考に供したい.

技術解説

炭疽菌の検査

川名 林治 , 沢田 稔 , 土谷 邦彦

pp.935-944

 炭疽(anthrax)は炭疽菌(B.anthracis)によって起こる家畜の急性伝染症で,ヒトには比較的少ないが,家畜に接触したり,その加工品を取り扱うヒトにみられる.

 細菌学的検査法に関しては,この菌を取り扱ううえで,ある程度の予備知識があれば,さほど困難ではない.

第2回樫田記念賞受賞論文・3

血液酸素飽和度の分光光度法による測定—Flow cuvette法の試み

松本 佶也

pp.945-950

 血液ガスの測定を血液Hb誘導体の分光学的定量法によって行おうとする試みは,Drabkinら1)の血液Hbの比色定量実験,Hb誘導体の分光学的波長域と分子吸光係数の規定などによって,種々測定法がくふうされてきた.測定波長のおもなものは表にみられるように種々のものが用いられている.

 これらは0.01〜0.75mmあるいは分光光度計の1cmのlight pathを持つキュベットやセルを用い,計測装置に改良くふうを加えて測定した.最近では659と811nmでPalanyiら11)が,660と805nmで亀谷ら12),川上ら13)がFiberop-tic Catheterを血管内に挿入して測定に成果を得ている.これらの測定法は等吸光点を含む2点測定法で,近赤外波長域測定法と可視波長域測定法に大別され,大部分は測定値がLambert-Beerの法則に従うことと,酸化Hbと還元Hbの吸光度の比から血液ガスの中の酸素飽和度を算出定量しようとするものである.

私のくふう

心電計胸部電極コードの取り扱いについて

小浜 廉隆

pp.950

 心電図検査は検査室をはじめ病室,手術室,外来および往診などに日常頻繁に行わねている.機器に関しても,ポータブルから精密なものまでいろいろあり,操作も簡単になった.しかしながらコードがもつれやすく,胸部電極は判別に手間取るのが現状である.そこで私は市販の材料を使用してコードを一列にならべて判別しやすくした.

比色計の読み取りに卓上計算機を導入してみて

斎藤 レイ子

pp.957

 施設の大小にかかわらず,臨床化学検査件数の増加は避けられないのが今日の状勢である,にもかかわらず設備や人員の増加は,いろいろな事情で簡単には望めない.

 そこで考え出されたのが,半自動化とか,セミオートとか呼ばれる術式の考案である.フロー式光電比色計や各種の分注器などもその中のひとつであり,データ読み取りをプリンターにするのも一法である.しかしながら,これすらも汎用という点から小規模の検査室の場合には有効ではない.私たちは,いろいろなステップを要する測定の中の比色の段階に電卓を持ち込むことを考え,吸光度の読み取りと,計算記録を同時に行い,一番まちがえやすい段階の作業をワンタッチで完了させてみた.一つのセミオートの方式であり,非常に便利で,しかもあまり高価でもないことから紹介してみたいと思う.

総説

細胞診—その標準化へのアプローチ

田中 昇

pp.951-957

 剥離した,さらには人為的に剥離させた細胞を採取し,それらの細胞の中から生理的に出現する細胞を鑑別除外して悪性細胞を見出すことによって,患者の悪性腫瘍を診断しようという試みが,研究試験段階を経て,これが真に価値ある診断法であることが実証され,臨床細胞学(ClinicalCytology),診断細胞学(Diagnostic Cytology),あるいは細胞診断学(Cytological Diagnosis)として体系づけられ,あまねく全世界で広く臨床検査部門の中に持ち込まれて開花していることは衆知のとおりである.また,一般に"細胞診"なる名称で親しまれている臨床細胞学も単に細胞所見の解読と判断の分野にとどまらず,臨床家の努力に基づく採取法の開拓進歩と相まって,その領域を広げ,ほとんど全身諸臓器の細胞診断学に発展しているのが現状である.

 ところで,このように手広く,しかも全世界で実施されており,その発表論文も枚挙にいとまがない程度に達すると,個々の内容の検討に際し,ひとつの"物差し"で同じように評価することができない状態に達していると判断せざるを得ない.数値で客観的に表現することを本質とする化学系,物理学系,すなわち医学においては生化学,臨床化学,生理学,さらには血液学,血清学などは,当然,方法論上の違いや異なった単位で同じものを比較しえない.

座談会

細胞診—その標準化をめぐって

高橋 正宜 , 上井 良夫 , 天神 美夫 , 山田 喬 , 田中 昇

pp.958-968

細胞診の標準化は,その検体採取法,前処理からはじまって細胞学的評価,病変のクライテリアにまでわたる多岐な問題が含まれ,しかも各臓器に言及すると膨大なものになる.また,形態学が主体をなすことで,主観や経験に基づく面も大きく,標準化には多くの問題がある.今回は,総論的な面で標準化のよしあしを含めて検討し,問題点を浮き彫りにし将来の検討の資としたい.

異常値の出た時・21

白血球数の異常と異常白血球

柴田 昭 , 山口 昭彦

pp.969-974

 成人(16〜60歳)の白血球数の正常値は年齢,性による変化はなく,6,000〜7,500/mm3である.また白血球の百分率(平均)は好中球 男;52.0%,女;51.0%,リンパ球 男;34.5,女;37.6,単球 男;4.8,女;4.4,好酸球 男;3.2,女;2,7,好塩基球 男;0.6,女;0.6である1).これら白血球数,細胞種の百分率は生理的要因,すなわち,食事時間,季節などによっても若干変わってくるが,種々の疾患に際して白血球の質と量に変化が見られる.以下白血球数の異常と異常白血球について白血病とそれ以外のものに分けて述べることにする.

臨床化学分析談話会より・13<関東支部>

測定法の再吟味と問題点の把握—コレステロール測定法と臨床的評価

中 甫

pp.975

 医学の進歩は近年特に著しいが,臨床検査も例外ではない.なかでも臨床化学検査は10数年の間にかなりの測定法が変遷した感がある.臨床医のニードにこたえるために,迅速かつ簡易な方法へと動きつつある.このような急速な進歩の中でともすれば臨床医と対話のない検査室独自の発展にとらわれがちとなる.

 そこで関東支部で4月より実施されている"測定法と臨床的評価"シリーズは,現在行われている測定法を臨床医に十分理解し正しく評価してもらうためにも,分析を行う検査室側が測定法を再吟味し問題点を十分把握した上で臨床医と対話をしながら,医療に直接役だつデータを供給する必要性を認識することに貢献するに違いない.

論壇

塗抹鏡検法をめぐって

高橋 昭三

pp.976-977

 検体処理能の高い点,データに関しての再現性の高い点から,検査の自動化がすすみ,他の分野では,高い熟練度の要求される実験法が少なくなる傾向がみらるれが,細菌学的検査法については,自動化に近い方法すら生まれていない.依然として,実験者の熟練の程度が,検査の結果の信頼性を左右している.なかでも鏡検法ほど実験者の技術レベルに依存するものはない.操作は比較的単純であるが,重要な,幅広いデータを提供する.一方,これほど軽視されている実験法も少ない.見る眼がなければ,よいデータが得られないためであろう.若い技術者にとって,塗抹鏡検法は,めんどうで,培養法よりも精度の劣る方法というイメージが強い.小川培地による結核菌の分離培養が広く行われるようになってから,鏡検をおろそかにし,ときには培養だけをやる傾向があるとさえいわれるが,塗抹鏡検法は,培養法とは異質の検査であることを強調しておきたい.

臨床検査の問題点・66

検査室における癌原性試薬

吉野 二男 , 片平 宏 , 平田 守男

pp.978-983

 ここ数年来の臨床検査の大幅な進歩による診療面への貢献は大きい,しかし臨床検査において精密性,正確さ,能率化などについては注目されているが,他面の有害物質,あるいはひろく公害についてはどうだろうか.今回はこの側面に照明をあてつつ,最近話題になっている癌原性物質を中心に問題点を探る.

(カットはラットのローダミン液による人工癌の一例で,現在化学療法などの実験に供されている.)

レポート

当院で行っている時間外緊急検査の実状

稲生 富三

pp.984-986

はじめに

 かつては病棟であった古い建物の内部を一部改装し,そこに遠距離出身の検査技師が初めて居住したのは1965年の春であり,それが今日に至っている.いつのころであったかさだかではないが,記憶をたどっていくと1966年ころではなかったかと思う,この古い建物に居住していたひとりの検査技師が,ある朝,筆者のところにやってきて,"昨夜A先生が急患の心電図をとってくれと言われたので,あまり自信はないがとりました"という.これまで,勤務時間外に検査技師が検査業務を行ったのは病理解剖以外には前例がなかったので,依頼する医師と検査技師の個人的なつながりによる行為として扱うことになった.

 それからは,2,3か月に1回くらいの割合で行っていた.そのうちに血球計数も加わって2,3年が経過した.しだいに回数がふえ,ナトリウム,カリウムなどの電解質も検査できないかという声が医師のあいだから出てきた.

研究

単球性白血病患者に認められた抗I+i抗体と考えられる一例について

河瀬 正晴 , 原 功

pp.987-989

緒言

 正常ヒト血清中には低温で,他人の血球はもとより自己血球をも凝集する寒冷凝集素があることは古くから知られていたが,この反応は非特異的で高力価の寒冷凝集素に対してはすべてのヒトの血球が強く反応すると考えられていた.したがって,寒冷凝集素は型特異性はないと考えられていた.

 1956年Wienerら1)は後天性溶血性貧血の患者血清中に存在する寒冷凝集素について研究を行った結果,被検血球22,000例中5例のものはこの寒冷凝集素と反応を示さなかった.そこでWienerらは寒冷凝集素にも型特異性があると結論して,反応しない血球をi型(I陰性),強く反応する血球をI型(I陽性)とし,抗体を抗I抗体と名づけた.

質疑応答

赤沈と採血部位

M生 , 鈴木 弘文

pp.990

 問 赤沈(赤血球沈降速度)における採血部位は,静脈血および動脈血となっていますが,先日,幼児の採血で静脈・動脈血の採血が困難になり,耳朶(末梢血)から約0.5mlほど採り,使用しました,この場合の赤沈の変化についてお教えください.

新しいキットの紹介

ヘモグロビン測定用試薬"北研"の使用経験

浅野 雅夫 , 鈴木 隆一 , 黒川 一郎

pp.991-993

はじめに

 シアンメトヘモグロビン法が,今日正確な血色素測定法として評価を与えられ使用されていることは論をまたない.

 1964年に血色素の国際標準法が設定され1),今日Drabkin2)あるいはVan Kampen3)らの方法に準拠した試薬が多数市販されている.しかしシアンメトヘモグロビン法のK3Fe(CN)6,KCNの比較的早く劣化する傾向4),それに伴う測定値への影響という本質的な欠点はしかたなく思われる.そのため試薬調製後は一定期間内に使用し,残りを廃棄するということが言われる5).近年,血色素測定を単一目的とせず白血球あるいはさらに多くの種目を同時に測定する方法が大検査室で採用される傾向にあり,これが正確に血色素を測定するという理念に,ある意味で水を注いでいる感がないわけではない.

血中インスリン測定法—ラジオイムノアッセイにおける濾過法と遠沈法の比較

宮田 正彦 , 高尾 哲人

pp.994-998

緒言

 Yalow & Berson1)によるインスリンのラジオイムノアッセイの原理は,放射性物質による標識インスリンと非標識インスリンとのインスリン抗体に対する競合反応を利用したものである.すなわち,一定量のインスリン抗体と一定量の標識インスリンおよび試料とを反応せしめ,抗体に結合したインスリン(結合型,bound insu-lin)と抗体に結合していないインスリン(遊離型,freeinsulin)とを分離し,その中に含まれている放射線量を測定することにより試料中のインスリン濃度を定量するというものである.本法の良否は,使用する抗体の特異性および結合型と遊離型との分離操作の2点に左右される.現在まで,分離操作に種々の方法が試みられ2),おのおの方法に一長一短があり,他の方法をすべての面で凌駕する決定的方法のないことを物語っている.

 今回,著者らはCIS製(ミドリ十字社供給)のキットを用いて,血中インスリン測定を二抗体法ラジオイムノアッセイにて行うに当たり,分離操作を濾過法(Fil-tration)および遠沈法(Centrifugation) により行い,両法を比較検討したので,その結果を報告する.

RAHAテストの検討とマイクロタイター化

永井 博 , 稲井 真弥

pp.999-1002

緒言

 従来より慢性関節リウマチ(RAと略す)患者血清中に出現するリウマチ因子(RFと略す)の検出法には,①RFのヒトγ-グロブリンに対する反応性を利用したもの(Latex-fixation test1,2),Heller-FⅡ法3),Bentonite-floculation test4)など),②ウサギγ-グロブリンに対する反応性を利用したもの(Waaler-Rose反応5,6),Heller法7,8),Polyar-test9),ロイマスライド10)など)がある.このうち現在検査室で一般的に実施されているのは,Latex-fixation test (RA-test)およびHeller法であろう,RA-testは,被検血清を非働化せずに実施した場合RA以外の疾患でも高率に陽性となる10,11),これは,RF以外の抗グロブリン因子によるものがほとんどである.抗グロブリン因子には,RF以外に抗抗体,抗Gm因子,抗InV因子,Andresenの因子など多数あり,これらはすべてヒトγ-グロブリンとは反応するが,ウサギγ-グロブロリンと反応するのはRFのみである12).また,RA-testを実施する時,被検血清を非働化してRA以外の易熱性抗グロブリン因子の活性を取り除くことにより,このテストのRAに対する相関性が増す.しかしウサギγ-グロブリンを用いた反応のほうがさらにRAに対しての特異性が高いことは周知のとおりである.

霞が関だより・27

国立血液総合センターの設置

I K

pp.1004

 臨床検査に大きな関係のある問題としては血液問題がある.

 昭和45年に衛生検査技師法が一部改正されて臨床検査技師が誕生したが,その大きな特徴は,部位・方法が制限されているとはいえ,8項目の生理学的検査と並んで"採血"ができるようになったことである.血液問題は病院や診療所における検査部門での業務範囲および診療報酬点数上の取り扱いといった問題以外に,前から大きな問題があった.今回はこの血液問題にスポットをあて,今般行われた「血液問題研究会」(厚生大臣の諮問機関)の中間報告を取りあげ概略を記してみた.

日常検査の基礎技術

骨髄検査法

寺田 秀夫

pp.1007-1014

血液病の診断や治療の効果,経過の判定に,また悪性腫瘍の骨髄転移の有無などをみる目的で,しばしば骨髄穿刺が行われる.

しかし医師がよく適応を選び慎重に行わないと,また技師が検査手技に十分慣れて迅速かつ正確に検査しないと,無意味な検査になりやすい.

検査と主要疾患・21

黄疸

市田 文弘

pp.1016-1017

1.黄疸とは

 黄疸とは胆汁色素が血中,組織中に増加した状態を指し,しかも黄疸は血中のビリルビンの増加によって診断できるので高ビリルビン血症とも呼ばれる.

検査機器のメカニズム・33

分注器—2.半自動ピペット

佐々木 匡秀

pp.1018-1019

 臨床検査の技術は,採量,分注操作が正確かつ迅速にできることから始まる.したがって,技師の養成は,ピペットさばきを訓練の第一歩とし,自動分析機の開発は,精密な自動ピペットの作製にその成功の明暗がかかっている.ここに述べるピペットは,半自動ピペット類に属し,正確さ,迅速さに加えて経済的(手ごろに購入できる)で,日常検査の専用機器として作られたものである.

検査室の用語事典

常用病名

伊藤 巌

pp.1021

71)痛風;gout

 尿酸代謝異常のため血中の尿酸値が上昇し,特徴的な関節痛発作をきたす疾患である.多くは30〜50歳の男子に発生し,常に美食し,特に多量のタンパク質を摂取するものがしばしば罹患する.関節痛は母趾の中足趾節関節に好発する.慢性期には関節結節を生じ,また耳朶・足指・肘・手指などの皮膚に痛風結節を形成する.腎障害を伴うことが少なくない.

血清学的検査

伊藤 忠一

pp.1022

67) Passive(Indirect) Agglutination;受身(間接)凝集反応

 可溶性抗原を粒子に吸着させ,みかけ上,粒子状にした抗原と抗体の間に起こる凝集反応のことをいう.粒子としてはpolystyrene latex粒子(latex結合反応),ベントナイト(ベントナイト凝集反応),ホルマリンとタンニン酸で処理したヒツジ赤血球(間接赤血球凝集反応)などがよく用いられている.

組織と病変の見方—肉眼像と組織像の対比

運動器とその病変

金子 仁

pp.1023-1030

運動器のおもなるものは四肢であるが,病理学的に最も重要な疾患は骨腫瘍である.軟部組織の腫瘍は"肉腫"の項で記載することにし,今回は骨腫瘍およびその類似疾患につき述べる.骨悪性腫瘍の代表は骨肉腫,軟骨肉腫,巨細胞腫であろう.良性骨芽細胞腫と良性軟骨芽細胞腫はそれぞれ,骨肉腫,巨細胞腫との組織学的鑑別に問題となる.軟骨腫と軟骨肉腫はときにより鑑別診断がむずかしい.fibrous dysplasiaと骨嚢腫は臨床的に骨腫瘍との鑑別がたいせつである.

好酸性肉芽腫は細網内皮症の一型で,この例もLetterer-Siwe病であった.Ewing (ユーイング)肉腫は少ないが,有名な骨腫瘍で,小児に多く,X線照射が効果がある.その発生に関しては問題が多い.

付・組織と病変の見方

病理学総論(その1)

金子 仁

pp.1031

 病理学(pathology)とは病気の本態を究明する学問である.ことに形態学的に病因,病像を追及する学問である.

 形態学的にというのは,病変部を肉眼的または組織学的あるいは細胞学的に観察するのである.

Senior Course 生化学

自動化学検査・9—総コレステロール

中 甫

pp.1032-1033

 血清コレステロール測定の反応系には,主としてLie-bermann-Burchard反応(以下,L-B反応),塩化鉄—酢酸—硫酸反応(以下,塩化鉄反応),および最近ではo-phthalaldehyde反応(以下o-PA反応)などがある.測定法として主流を占めている方法は,L-B反応系ではZurkowski法,塩化鉄反応系ではZak-Henly変法,o-PA反応系ではo-PA直接法があげられる.いずれも用手法であるが,自動化測定法ではいずれの反応系も日常検査法として応用されている.

 コレステロールの測定は臨床化学検査の中でも件数の多い項目にあげられるが,自動化の最も困難なものの一つにあげられる.その理由は次のように考えられる.

Senior Course 血液

凝固時間の延長

中島 弘二

pp.1034-1035

 血液検査室の最大の目的のひとつは,術前の患者,出血しやすい患者,出血している患者または健康な人の血液学的な出血傾向のスクリーニングにある.

 出血傾向検査として一般に検査室では,内因系凝固検査としてPTT(partial thromboplastin time;部分トロボプラスチン時間),外因系としてPPT(plasma prothrombin time;血漿プロトロンビン時間)が使用され,血小板血管系のスクリーニングとしては血小板数,血餅収縮能検査,出血時間,毛細血管抵抗試験などが,線溶亢進にはユーグロブリン試験がスクリーニングとし,それぞれの項目を組み合わせセットとし出血傾向のスクリーニング検査として使用されている。もしそのどれかに異常がみられた場合,次のより特異性の高い検査を進め原因をつきとめていく.

Senior Course 血清

ウイルスの血清学的検査

中村 正夫

pp.1036-1037

ウイルス検査と臨床との関連(1)

1.ウイルス検査の必要性

 臨床との関係を考える場合には,血清検査のみに限定して述べることはむずかしいので,ウイルス検査全般の立場から考えてみたいと思う.

Senior Course 細菌

産婦人科領域における細菌検査

三輪谷 俊夫 , 吉崎 悦郎

pp.1038-1039

 胎児期には無菌的であった腟内も出生後12〜24時間すればブドウ球菌,腸球菌,diphtheroid, Sarcinaなどが検出されるようになる.生後2〜3日すると,母親からもらった卵胞ホルモンの作用で腟上皮に多量のグリコーゲンが出現し,腟内は酸性になり,2〜3週間は腟内乳酸杆菌(従来Döderlein腟杆菌と呼ばれていた)が主位を占める.しかし,受動的に母親から受け継いだ卵胞ホルモンはやがてなくなり,腟上皮のグリコーゲンが消失するにつれて腟内はアルカリ性となり腟内乳酸杆菌は減少してブドウ球菌,腸球菌,coliforms, diphtheroid,その他嫌気性菌が検出されるようになる.卵巣機能が発達した思春期以後は自ら産生する卵胞ホルモンの作用で腟上皮のグリコーゲン含有量が多くなり,脱離した腟上皮中のグリコーゲンは子宮内膜から分泌される酵素によってブドウ糖に分解される.腟内乳酸杆菌はこのブドウ糖を利用してよく増殖し,乳酸を産生する.この時期の腟分泌液はだいたい0.1〜0.5%の乳酸液に相当するものでpH3.8〜4.0となる.このような条件では他の一般細菌は定住できず,腟内乳酸杆菌が主位を占めるようになる.卵巣機能の不十分な幼児や思春期前の少女に腟炎が比較的多いのは,このような自浄作用を欠くためであろう.

Senior Course 病理

臨床病理学的立場よりみた電子顕微鏡学・9—電顕標識法および免疫電顕法を中心として

相原 薫

pp.1040-1041

1.Vascular clearance法

 組織ことに血管の物質透過性を検索するために種々の同定可能な標識物質を血管内に注入する方法が広く活用されており,光学顕微鏡的にはevans blue, trypanblue, astraviolett, FFD, Pelican Ink, active carbonなどが用いられており,さらにIsotope法,螢光抗体法を用いる方法がある.これらの方法はvascular clea-rance法,LabellingまたはTracing法といわれた細胞の機能と形態の相関の研究には欠かせないものであるが,電顕的にも電子密度の高い容易に認識できる物質が開発され各分野に応用されるようになった.本法については浅野のすぐれた総論を参照されたい(医学生物学のための電顕学総論,201,医歯薬出版,1974).その代表的なHoseradish peroxidase (Graham-Karnovsky法)は,25〜30mgのマウスに3〜4mgのHorseradishperoxidase (type Ⅱ,Sigma)を0.5mg 0.9%NaClに溶かして静注屠殺後ホルムアルデヒド・グルタール液に固定後,基質液(1%H202添加3-3'diamino-benzi-dine,Tris-HCL Buffer)に侵漬したのち型のごとく処理をする方法である.

Senior Course 生理

トレッドミルによる運動負荷生理検査

藤田 良範 , 林 正博 , 成沢 達郎

pp.1042-1043

 運動負荷試験は心・肺機能検査の目的のために広く使用されている.本文においては循環器機能検査としての運動負荷試験について述べてみることにする.つまり運動負荷試験はおもに疾患の診断(たとえば労作狭心症の患者,または潜在性冠不全を有している患者で安静時心電図では全く変化を示さないような場合)のためのみならず明らかに心臓疾患を有している患者でもその時点の心機能状態を負荷をすることにより,より客観的に知り,その患者の日常労作可能量をみたり,また心筋硬塞患者などに適当量の負荷を加えていくことにより側副血行路の発達を促進したり,つまり"リハビリテーション"としても有用なものである.

Senior Course My Planning

意識改革の推進—私の卒後教育観

内田 侊子

pp.1044-1045

臨床検査は,自動化や微量化を軸とする技術改革が進む一方,人的構成も技術専門学校のみならず,薬学,理化学,工学,獣医学,農学など多種にわたる基礎教育を受けた者で構成されるようになってきた.これは近年の臨床検査の多様化と著しい進歩を考えると当然のことといえるが,同時に卒後教育の意義がますます重要となってきた.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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