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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査19巻3号

1975年03月発行

雑誌目次

カラーグラフ

リンパ節腫脹の細胞診

天木 一太

pp.244-245

 リンパ節の細胞診は,リンパ節穿刺材料の塗抹標本あるいは手術材料のスタンプ標本で行われる.そこに出現する細胞は,リンパ球,細網細胞,形質細胞,その他血流からの血球,またそれらの腫瘍化した細胞や転移による癌細胞がみられる.これらのうちリンパ球と細網細胞は変異が著しいうえに,それぞれの細胞は似ているところがあって,鑑別が難しいが,それでも組織像の細胞所見よりは特徴がはっきりしていて,細胞像としては優れている,そのため細胞診は組織学的診断の補助として重要である.

 診断の実際は,まず反応性変化か腫瘍か,反応性とすればどのような反応か,腫瘍とすれば原発性のものか転移によるものか,また腫瘍とも反応ともいい難いホジキン病か細網症かなどが問題になる.

技術解説

二波長分光光度計による化学分析

横山 宏 , 斎藤 徹 , 小田切 節子

pp.247-255

 近年,自動分析装置の導入により省力化,迅速化が計られ,またこれにコンピューターを接続してデータ処理を計るなど,臨床検査室の自動化はめざましいが,まだまだ用手法による検査も多く残され,それら自動分析装置にのらない多くの検体をいかに能率よく,しかも正確に処理するかは今日の大きな問題である.

 二波長測光法は1954年Chance, B.1)により考案されたが,最近になって本法が吸光度測定時に各種干渉を避けうるのでその有用性が認識され,本川ら2)は一般臨床化学分析を目的とした二波長分光光度計を完成させた.

リンパ節の細胞診—(カラーグラフ参照)

天木 一太 , 岩永 隆行

pp.256-262

 リンパ節はいろいろの疾患で腫脹する.局所の単なる化膿性炎症ではその領城のリンパ節が腫脹するし,頸部では結核性リンパ節炎があり,また膠原病でもリンパ節腫脹がなられ,伝染性単核症では全身各所のリンパ節が反応性に腫脹する.またリンパ肉腫,細網肉腫,ホジキン病などは悪性リンパ腫といわれ,多少とも系統的にリンパ節腫脹がみられるし,白血病では時々全身性のリンパ節腫脹がみられる.更に癌があるとその転移はまず領域のリンパ節に起こる.

 これらのリンパ節腫脹の診断は,臨床的に,また臨床検査データから推定されるが,最後的には試験切除をして,そわを病理組織学的に検査することによって決められる.しかし,リンパ節腫脹のならわる疾患は多く,組織所見はそれぞれかなり似ていて,特徴的所見のないものもあるから,組織像による診断革,万能ではない.特に組織像では細胞所見が不十分なことが弱点である.そこで,リンパ節穿刺材料や手術材料を塗抹標本にして,Wright-Giemsa染色にしたり,また位相差顕微鏡によって細胞学的に観察することが補助診断として役立つのである.

総説

ビリルビンの測定

福井 巌 , 久城 英人

pp.263-267

 血清ビリルビンの定量法は測定原理に基づいて,①酸化法,②ジアゾ法,③直接法,④分別法,に大別される1)

 現在,これらのうち日常の臨床化学検査にはジアゾ法と直接法が繁用されている.

座談会

ビリルビンの測定

西村 昂三 , 久城 英人 , 松村 義寛

pp.268-274

 ビリルビンは黄疸に関連して血中に増加してくる物質であり,内科はもちろんのこと,殊に小児科において新生児黄疸などの診断には欠かせない検査項目ではあるが,果たしてそれを使用する場合において同一病院内での標準値があり,正確な値であっても,いざ一般に発表したり,患者の転入,出などの場合の数値の理解と利用がスムースでない場合があると思われる.この点の標準化の方向をさぐってみた.

異常値・異常反応の出た時・27

梅毒血清反応—STS反応とTP反応との違った時

小野田 洋一

pp.275-279

 STS室から出た結果とTP反応室から出た結果とをもらって,機械的にそれをまとめているのは事務系の仕事をしている人である.結果が双方ともに陽性であろうと陰性であろうと,あるいは一部一致していなかろうと,そのとおりに間違いなく転載するのがその人の仕事である.

 その結果をもらった医師は判断に苦しんだ末に,疑問を差しはさむことがときにある.間違いと気違いとはどこにでもある,といって反応結果の違いを簡単に見逃してしまうことができないのが臨床検査結果なのである.梅毒ならば,STS反応の結果もTP反応の結果も必ず一致すると考えるのは間違いであるが,人情として同じ結果が出ていれぽ安心し,結果が違っていれば不安に感じるはずである.

臨床検査の問題点・71

血液型検査の精度管理

遠山 博 , 瀬戸 幸子

pp.282-288

 輸血ということは一種の移植手術と同じような意義を持つものであり,そして血液は各個人によってみんな違うもので,輸血の際には当然多くの危険を伴うものである.その輸血を安全に行うためには非常に精密な検査を行う必要があり,とりわけ血液型の検査は最も基礎となり柱となるものである.この輸血を安全に行うためにはどういう検査を,どのようなやり方ですべきか話を進めてみた.

(カットはRh式血液型判定での陽性(右)と陰性(左))

レポート

臨床検査付随業務などの評価方法に関する研究(第2報)

佐藤 乙一 , 篠崎 幸三郎 , 下杉 彰男 , 大橋 成一 , 丹羽 正治 , 星野 辰雄 , 中橋 勇次郎 , 吉沢 藤平 , 竹田 直彦

pp.291-293

まえがき

 本研究班は前報において臨床(衛生)検査技師(以下検査技師)が日常業務を行うに当たって,元来検査技師法に定めていない付随業務や,他の関連職種との谷間的業務となっている曖昧業務を行った場合には内規ですべて健康保険点数に準じた点数を定め,本来業務の稼動量に加算評価するべきではないかとして一試案を述べた.

 検査部門の実績評価,評点は一般的に検査技師1人当たりの検査件数,点数のみを対象とし,その業務を行うために当然つきまとったり,運営上行わなければならない曖味業務が評価されないため,これらの業務はとかく敬遠される傾向にあった.

研究

Double Albuminemiaの一家系について

岡本 憲雅 , 森田 文雄

pp.294-295

緒言

 Zone electrophoresisが開発されて以来Double Al-buminemia (以下D.Aと省略)に関する報告例が多くなってきている.現在,rapid型とslow型が報告されており,正常と同じ易動度のアルブミン(以下Albと省略)(Aln)とともに易動度の高いAlb (Alra)あるいは低いAlb (Alsl)がある.我々は,日常提出される可検物の中よりセルローズアセテート膜電気泳動にて図1のごとき所見を得,更にその家族調査からD.Aの尿系と老え若干の成績を得ているので報告する.

血清トランスアミナーゼの微量測定について

松尾 武文 , 森崎 栄子

pp.296-297

はじめに

 トランスアミナーゼの定量には,Reitman-Frankel(1957年)の方法が広く用いられている.わが国では日本消化器病学会で標準法が定められており,測定条件について詳しく規定されている.標準法による血清試料の必要量は100μlであり,UV法に比較すれば少量である.しかしトランスアミナーゼの定量は日常検査として繁用されているため,微量定量化には大きな利点がある.一方Reitman-Frankel法を改良した超微量定量法も考案されている1).それによると,血清は20μlの微量であるが,ジニトロフェニルヒドラジンや基質の濃度が標準法と異なっているため,標準法の試薬がそのまま利用できないのが難点である.私どもは,エッペンドルフのマイクロリッターシステムを用いて標準法で定められた試薬を改良することなく,使用量を規定の1/5量で定量できることを報告した2).しかし,この方法でのピルビン酸検量線は,勾配が緩いため低単位での読み取りに難点があった.これは微量法では血清からのピルビン酸生成速度とピルビン酸検量線との間に,測定条件の差異による不一致が生じたためと考えられた,今回は標準法の試薬のままで,日常検査として標準法とかわらぬ精度で定量できるトランスアミナーゼの微量法を考案したので以下に述べる.

臨床細菌検査体制の実態とその問題点について

中森 純三 , 室木 邦生

pp.298-301

はじめに

 臨床細菌検査は,個々の患者の診定手段としてのみならず,伝染性疾患の診定という公衆衛生学的意義が大きい点からも,第一線の臨床検査機関における細菌検査の重要性は特に強調されるべきであろう.

 また,臨床検査全般の規格化・簡易化傾向のなかで,細菌検査はそれらが著しく困難な分野であり,深い経験と熟練とが要求されると同時に,その検査体制が合理的であるか否かによって検査の精度や能率に差を生じやすい.このことは,先に日本衛生検査技師会によって行われたコントロール・サーベイ1)の結果からも容易に推察される.

臨床材料から分離されたKlebsiella属の分類—第2報VP反応陰性株について

竹森 紘一 , 横田 英子 , 高安 敦子 , 筒井 俊治 , 沢江 義郎

pp.302-305

はじめに

 既に第1報1)で述べたごとくKlebsiellaはCowanとSteel2)や坂崎3)によると6菌種に分類されている.この6菌種の中でVP反応陽性を示すものはKl.Aero-genesとKl.edwardsiiであり,VP反応陰性を示すものはKl.Pneumoniae, Kl.edwardsii var.edwardsiiの一部,Kl.ozaenae, Kl.rhinoscleromatisの4菌種とされている.

 一般に検出されるKlebsiellaの大部分はVP反応陽性であり,Kl.aerogenesである.しかし,VP反応陰性でKlebsiellaではないかと思われる菌株をときとして検出し,その同定と分類にとまどうことがある.我々は先にVP反応陽性のKlebsiellaについて,インドール反応陽性株を中心にその分類と薬剤感受性について報告したが,今回はVP反応陰性を示すKlebsiellaと思われた菌株について,種々の検討を加えたので報告する.

臨床化学分析談話会より・19<関東支部>

臨床化学分析のむずかしさ—Caの測定法と臨床的評価

野間 昭夫

pp.306

 あいにく国鉄のストライキと重なり,流会とせざるを得なかった11月の第178回分析談話会関東支部会が,1か月延期となって12月17日に東大薬学部講堂において行われた.「測定法と臨床的評価」シリーズの第6回目として当日のテーマにはカルシウムが取り上げられた.

 まず測定法に関して北里大学斎藤正行先生が講演され時の流れに沿ってCa測定法がいかに改良されてきたかを,分かりやすく,かつ楽しく話された.シュウ酸沈殿法,ヨード滴定法,EDTAキレート滴定法,比色法,〔グリオキサールビス(3・ヒドロキシアニル)法,NFR法,OCPC法など〕,原子吸光法などが解説された.斎藤先生の講演中にもあったし,その後のディスカッションで問題になったことは,

質疑応答

サルモネラの同定をめぐって

T生 , 坂崎 利一

pp.307

 問 サルモネラと疑わしい集落が生えたので,ためし凝集反応をしたところ(+)になりました.どこへ同定をお願いしたらよいのでしょうか.その施設,書式,費用などをお教えください.

日常検査の基礎技術

真菌菌株の保存法

横山 竜夫

pp.311-318

 菌株の保存は,少なくと4,微生物を取り扱う限りけ避けて通ることができないことでありながら,煩わしざが先に立ち,ややもするとなおざりになりがちのものである.

 細菌,酵母と同様,真菌の培養も,その菌が最も良く発育し,形態的にも生理的にも望ましい限りの最良の性質を発現するための最適条件──培地,温度,光,通気など──を選び用いているが,こういう条件下では同時に自然突然変異率が最も高く,形質の変化が起こりやすい.また培地中に蓄積される物質によって菌自体の発育が阻害されたり,変異が誘発されたりする他,培地の枯渇や養分の消費,急激な温度変化,あるいは雑菌やダニの侵入による菌株の死滅や汚染という不都合が種々発生し,培養即保存とはなかなかうこたくいかない.

検査と主要疾患・27

腸チフス

中溝 保三

pp.320-321

 腸チフスはチフス菌の感染によって腸管のリンパ組織に特有の潰瘍性病変を起こすとともに,菌血症による全身性の疾患に発展して,独得の熱型,徐脈,バラ疹,脾腫などの症状を呈する急性の伝染病である.本症は近年その発生が激減しているが,最近東南アジア方面において,チフス菌が本症の特効薬であるクロラムフェニコールに対する耐性を獲得しつつあるとの情報も伝えられているため,もしも近い将来にクロラムフェニコール耐性のチフス菌が,わが国においても流行を引き起こすことになれば,治療困難な腸チフスの発生も予想せざるを得ないことになろう.

 本症の臨床診断は,難しい場合が多いので,その確診は菌の検出と血清学的診断に待つところが大きいといえる.

検査機器のメカニズム・39

カラーフィルム自動現像処理装置

菅沼 源二

pp.322-323

1.カラー自動現像機の種類と現像行程

 ①ハンガー方式,②ローラー方式,③マガジン方式.①および②の方式はいずれも大量処理を目的として作られたもので,市中のカラーラボ向けの現像処理機である.③は少量の自家現像処理機で,病院や一般の医療機関などで使用するには極めて簡便である.現在市販されているこの種のものは2種類あるが,1種類は1本ずつの35mm専用現像機であるが20枚撮り専用で36枚撮りは現像できない.

 今回は36枚撮り,20枚撮り,16mmなど現像可能なもので,同時に35mm 3本までの現像ができる機種について紹介する.

検査室の用語事典

臨床化学検査

坂岸 良克

pp.325

21) Auxiliary Reaction;補助反応

クレアチンホスフォキナーゼ(CPK)を例にあげると            CPK (a)クレアチン+ATP→クレアチンリン酸+ADP

病理学的検査

若狭 治毅

pp.326

20) cleor cell carcinomo;淡明細胞癌

 腎から出る悪性腫瘍でGrawitz腫瘍とも呼ばれる.臨床的には血尿を主症状とすることがある.細胞診の際,注意を要することは,この腫瘍の構成細胞が名前のとおり,非常に明るい胞体とむしろ小型の核を要する点で,通常の判定基準とは異なっている.しかし,実際において尿中に出現することは極めて少ないとされている.

追悼

村田正太先生を偲んで—村田反応創始者

松橋 直

pp.327

 梅毒の血清学的検査法に一時代を画した村田反応の創始者・村田正太先生が長い研究生涯の幕を90歳で昨年12月22日に閉じられた.

 村田正太先生のお名前を知ったのは,学徒動員があった昭和18年の終わりころであった.当時の東大医学部は,戦時中のこととて,外科学総論の講義が2年になったばかりから始められていた.とりわけ都築正男教授は名講義で,学生に深い感銘を与えていたが,その一駒であった,梅毒が関係する何かの病気が,グンマであったように思うが,外科学の立場から講ぜられた.その折,梅毒の血清学的検査法にふれられる."現在最も広く用いられ,また,最も信用されているものに村田反応というのがあるが,これは伝研(現在の医科研)におられた村田正太博士が発明したものです".そして話は,はずみ出した.記憶に誤りはあるかもしれないが,その大筋は次のとおりである.

Senior Course 生化学

—酵素の初速度測定—初速度測定に必要な知識 Ⅱ

大場 操児

pp.328-329

1.阻害と活性化

 試薬中に,洗浄不良によるガラス器具に付着した汚染が反応を妨害したり,発色を助長することは既に指摘されている.これとは別に反応過程において添加し,その結果として反応を高めたり停止したりすることができる物質を活性化剤とか,阻害剤と呼んでいる.

 無機金属イオン,SH化合物は酵素を活性化する.Na,K,Mg2+,Zn2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,システインなどは活性化剤として一般にあげられている.そしてこれらの活性化剤で活性化される酵素の活性測定時には,一般に活性化剤を添加して測定することになっている.ただ,同一金属イオンでもある酵素には活性化因子として働き,他の酵素には阻害作用を現すものもある.また,その物質の濃度により活性化したり,阻害化したり,阻害化したりすることがあり,よく酵素の性状を調べてから用いるようにする.

Senior Course 血液

—検査室からみた血液疾患の特徴—再生不良性貧血

松原 高賢

pp.330-331

1.再生不良性貧血とは

 "再生不良性貧血の定義は"と問われると答えに窮する.下そうにも定義がないからである.いま,一つの疾患の概念が確立される過程を考えてみよう.鉄欠乏性貧血を例にとると,貧血患者の中には赤血球小さく,大小不同はなはだしく,ギムザ染色の染まり淡く,鉄剤によく反応するもののあることが以前から知られており,一つの独立した貧血の型ではないかと老えられ,低色素性貧血と名づけられていた.この段階で"低色素性貧血の定義は"と問われたら,診断に役立つ特徴的所見──診断基準──を列挙して,こういう所見を備える症例を一括して低色素性貧血と呼ぶ,と答えるほかはない,しかし定義とは,その疾患に共通に存在する本質的なもの──診断基準に掲げた所見を呈するに至らない軽症の症例にも存在すべき──を指摘することであるから,診断基準は正しい意味の定義ではない.

 その後低色素性貧血患者の血清鉄低く,諸臓器の鉄分少ないこと,動物を鉄不足の食事で養うとヒトと同様な貧血の起こることから,本貧血が体内の鉄不足によって発生することが明らかになり,ここに鉄欠乏性貧血の概念が確立した.この段階に達して初めて正しい意味の定義を下すことができる.すなわち,"鉄欠乏性貧血とは体内の鉄の不足によって発生する貧血である"と.

Senior Course 血清

—最新の免疫学的検査法—免疫グロブリンの一次構造

冨永 喜久男

pp.332-333

 ヒト血清中には構造の異なる多種類の抗体が存在するが,抗体の大きな生物学的特徴は"特異性",すなわちある1種の抗原とは反応するが他種の抗原とは反応しない性質である.そして現在の分子免疫学の最大の課題はIgないし抗体の構造上のこの多様性がどのような遺伝的支配を受けるのか,その多様性が特異性といかに関係するかの解明である.このためには何よりも構体分子の一次構造,すなわちアミノ酸配列が調べられなければならない.しかし,ある特異性を帯びた抗体分子を,この種の研究が可能なほど大量に分離することは不可能であるので,骨髄腫やマクログロブリン血症の患者の血清や尿にみられる,いわゆるM成分(BJタンパクを含め)がかわりに用いられてきた.これらM成分のほとんどは抗体活性を有しないが,単一種類のIgを大量,純粋に入手できるためである.

 1960年代の前半はこれらのタンパクのポリペプチド鎖ないし"フラグメント"の構造に関する,いわばマクロの研究が主であったが60年代の後半からはアミノ酸の配列,いわばミクロの構造が盛んに調べられつつある.1966年にはBJタンパク(Ag)──κ鎖の1種──214個の,また1969年にはIgG1骨髄腫タンパク(Eu)の(660×2)個のアミノ酸全構造が定められた.

Senior Course 細菌

—病原性球菌の分離,同定—βレンサ球菌の分離,同定,型別法 Ⅲ

宮本 泰

pp.334-335

 前号に続き小林分類を表に示した.今回は凝集反応群別法と型別法の凝集原作成法および沈降反応群別法と型別法を述べる.

Senior Course 病理

—新しい病理組織標本の作り方—組織処理 Ⅰ

平山 章

pp.336-337

 組織処理は大きく分けると脱水(脱脂),透徹とパラフィン浸透に分けられる.これらの過程が正しく行われないと次の薄切,染色に大きな影響を与えることになるが,これについては後にふれることにして,ここではまず固定された組織標本の水洗から述べてみる.

Senior Course 生理

運動負荷心電図

原 文男

pp.338-339

 狭心症のうち最も多いのは労作性狭心症である.狭心症の患者でも安静時には,心筋の酸素需要がなんとか間に合っているので,心電図に必ずしも異常が現れない.そういう場合には運動を行わせて,心電図に変化が起こるかどうかを調べることになる.これが運動負荷試験である.

Senior Course My Planning

私たちの新人教育

織田島 弘子

pp.340-341

 人員は欲しい,しかし毎日の検査業務に追われて十分な新人教育はままならないというのが一般的である,私の所(血液)は検査技師5人,経験年数の最長7年という若い検査室で,多量の検体処理,新しい問題の取り組みに悪戦苦闘している.その中で迎える新人は,いかにして同僚にするかが新人教育のポイントと考える.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

今月の特集1 中性脂肪の何が問題なのか
今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

64巻2号(2020年2月発行)

今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
今月の特集2 標準採血法アップデート

64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

63巻12号(2019年12月発行)

今月の特集1 糖尿病関連検査の動向
今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

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63巻9号(2019年9月発行)

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今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

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63巻7号(2019年7月発行)

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今月の特集2 COPDを知る

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今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

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今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

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今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

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今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

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今月の特集2 心腎連関を理解する

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今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

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60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

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今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

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今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

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今月の特集2 キャリアデザイン

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今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

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今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

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今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

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今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

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今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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