icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻6号

1975年06月発行

文献概要

技術解説

腸炎ビブリオの検査・同定法ならびに神奈川現象

著者: 宮本泰1 小原寧1 滝沢金次郎1

所属機関: 1神奈川県衛生研究所

ページ範囲:P.581 - P.589

文献購入ページに移動
 わが国の細菌性食中毒の過半数は腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)によって占められている.藤野によって初めて記載された本菌は,滝川,中橋(勇次郎)2)により初めてその好塩性状が発見され,病原性好塩菌(pathogenic halo-philic bacteria)と呼ばれていた菌である.最近周毛が確認されたためBeneckea Parahaemoly-ticaの命名がなされてビブリオ属から分離する提案もなされたが,Bergyの分類書第8版では一応ビブリオ属に編入されることになった(図2).
 本食中毒は種々の食品によって起こるが,元来海洋細菌であるため魚介類が原因食品になる場合が多い.しか二次汚染によって,海とは縁のない魚介以外の食品によっても起こり,このことはむしろ本食中毒の特徴の一つとさえ思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?