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文献詳細

雑誌文献

臨床検査19巻7号

1975年07月発行

文献概要

異常値・異常反応の出た時・31

基礎代謝の異常値

著者: 井川幸雄1

所属機関: 1慈恵医大中検部

ページ範囲:P.725 - P.727

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 現在,基礎代謝測定の臨床的意義については,これがやや時代遅れのもので,測定誤差も大きいとしてむしろ廃止してもよいのではないかという意見も多い.その理由としては基礎代謝率(BMR;Basal Metabolic Rate)の測定は甲状腺ホルモンが生体に働いて起こす反応をみるもの8)で,甲状腺ホルモンそのものの定量が可能になった今日,その必要性(甲状腺機能検査法としての必要性)が疑われているわけである.
 基礎代謝率の測定での第1の問題点は酸素消費量の測定そのものの精度あるいは正確度ではなくて,測定の条件が正しく基礎条件にあるか否かである4,7).つまり朝早くの空腹状態で,しかも心身ともに安静(ただし眠ってはいけない)という条件を完全に実現することが意外に難しいのである。外来で簡単に測るというのが本来間違っていて,入院安静のうえ,ストレスを避けるため,マスクにも十分慣れるまで練習してからということになると,実際は行うことが困難となる。現実には外来で測定した場合,正常の上限を高目にして(例えば+20%)判断するということになってしまう8)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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