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研究
Enterotubeによる腸内細菌の同定—ENCISE-Systemを中心に
著者: 向島達1 藤井裕子1 植園健一1 大倉久直1 中山昇1 沢部孝昭1
所属機関: 1国立がんセンター病院臨床検査部細菌免疫検査室
ページ範囲:P.747 - P.752
文献購入ページに移動腸内細菌の同定は,種々の生物学的性状の組み合わせで行われている1).つまり各種性状より細菌を分別し,菌種が確定するまで更に鑑別に必要な培地,抗血清を用いて行う.したがって臨床検査において,腸内細菌同定に適した各種培地の組み合わせが検討されており,キットとしては,アナリタブ・チューブ2),Enterotube3,4)などが紹介されている.そのなかで,Enterotubeは,8種類の生培地から成り,11項目の性状検査が可能である.最近,このEnterotubeによる同定を従来のごとく技師の経験に基づく選択によらず,全く自動的に行えるようEncise System5)(Enterotube NumericalCodlng and Identification System for Enterobacte-riaceae)が検討されている.本方法は,Enterotubeの各性状を1つの数字で表現し,その和によって腸内細菌を同定しようとする試みである.つまりEnterotubeの各性状項目を,それぞれ2進法の桁数とみなし,陽性の場合を1,陰性の場合を0と表現し,2進法の11桁の数値,あるいはこの2進法値を10進法値(assignedweight)に換算し,その陽性性状のassigned weightの和(Add Value)に相当する菌種を,Manualから引いて求めるシステムになっている5).
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